旅ゆけば―観光編・宮越家離れ(詩夢庵)・青森県

斜陽館から10km北方向に進んだところに中泊町と言う住所がある。
宮越家の事を知ったのは、この辺りの地図をgoogleで検索している時に偶然見つけた。
宮越家は簡単に見学出来ないシステムになっている。
まず、公開期間が限られている。
2023年5月30日~2023年7月2日
事前に中泊町文化観光交流協会(電話番号0173-57-9030)へ連絡して入場チケットとシャトルバスの申し込みをして、事前に入場料、シャトルバス代を振り込む。

何の知識もないままに折角のチャンスだからと手続きを済ませて、シャトルバスに乗り遅れないように早々にホテルを出発した。

シャトルバスを降りるとガイドさんのお出迎え。そこでカメラ以外の荷物は全て預ける。
邸内の貴重な調度品に傷をつけないように細心の注意が払われているからだろう。

宮越家離れ「詩夢庵」は9代当主・正治が夫人イハの33才の誕生日に厄除けの為に完成させたと伝えられている。
瀟洒な離れ「詩夢庵」には枯山水・池泉庭園と古今の庭園を融合した「静川園」と言う庭がある。
大正15年(1926)逓信大臣・安達謙蔵が訪問した名園として知られ、日本画家・橋本関雪が京都東山に造成した国名勝「白沙村荘」の影響を受けた造りになっている。

詩夢庵には有名なステンドグラスの窓がある。
ステンドグラス作家の第一人者小川三知の作品

当時のデザイン潮流を意識しながらも、和のデザインを織り込み、ガラス技術の粋が盛り込まれていることから、三知の最高傑作と評価されている。
三和の作品のほとんどは戦争で焼失しているので、現存している宮越家のステンドグラスは貴重な作品となっている。


障子4枚組に配された花木によって早春・初夏・初秋、余白を初冬に見立てて季節の移ろいを表している。
背面の庭木を借景として、早春の訪れを真珠色のモクレンで表現し、左に色鮮やかな紫陽花を配し、右に抑えた朱色に色付いたケヤキを配したデザインとなっている。

古来多くの物資や人が行き交った「十三潟」の景観をモチーフとしたステンドグラス作品

宮越家の家具調度品には文化の香りが高い。
奥の間の襖絵「花鳥之図」は狩野山楽、山蘭の間の襖絵「山水図」は岩佐又兵衛、また欄間の彫刻は能面師として著名な後藤良の作品と伝えられている。


<伝岩佐又兵衛筆山水図>


<伝狩野山楽筆花鳥之図>

九州生まれの私には東北青森は雪深く寒い土地のイメージしかなかったが、豪農、豪商と言われる人たちが残した文化の足跡に触れて青森のイメージは一変した。
特に日本海側は北前船によって九州よりも早く文明開化に接していたのかも知れない。知らんけど。

宮越家のガイド時間は70分。
話術巧みなガイド力で見どころを説明された。
あっと言う間の70分、大正浪漫の凄さを見た。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

旅行関連の情報収集

ブログランキングで旅行関連のブログをご覧いただけます!

ガーデニングの情報収集

ブログランキングでガーデニング関連の情報を収集できます!
ページ上部へ戻る