谷口吉郎・吉生記念金沢建築館|金沢市

今年の7月に金沢市寺町に「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」が開館した。
谷口吉郎は金沢出身の建築家で日本の伝統的建築様式を追求し、藤村記念堂、千鳥ヶ淵戦没者墓苑、東宮御所などで独自の造形と装飾を深め又明治村の開設に力を尽くし初代館長を務めた。
金沢の「谷口吉郎・吉生記念金沢建築館」は吉郎の長男で世界的な建築家谷口吉生が設計し、吉郎の住居後に建てられたものである。
思いがけない建築館の出現に心を躍らせて出かけた。

建物内に、現存する施設である迎賓館赤坂離宮和風別館「游心亭」の主和室と茶室が忠実に再現展示されている。

小雨の中、傘をさして駐車場(※専用駐車場はありません)から300mほど歩いて入館すると受付で「雨の中をわざわざ・・」と丁寧な言葉をかけて下さり「今日は祭日ですので65才以上の方の入場は無料になりますが・・」と失礼にならないように気を遣った言葉を掛けられた。
「そうですか、嬉しい」と言う私の言葉に、にっこりされたのでつい、からかってみたくなった。
「証明書必要ですか?(要らないよね。)」
「あのー、口頭でも結構ですよ」
「昭和〇年生まれです」「あーそれなら、もうそのままでどうぞ」
金沢の女性はふんわりしている。

地下1階は企画展示室になっており、現在は開館記念特別展「清らかな意匠」が開かれている。展覧会のタイトルは赤坂御所など、吉郎が完成させた端正な気品にあふれる建築からとった。
写真を写せないのはこのコーナーだけで後は何処でもご自由にとオープンにされているのが気持ち良い。
2階の展示室、遊心亭の前は水庭になっていて、木々の先に金沢の空が広がっていた。

監視員の女性はとてもフレンドリーなので何でも聞いてみた。
「広間の広縁の素材は何ですか」広縁は重厚で艶々した木材が使われていて、見た事もないように美しかった。
「楠なんですよ。〈游心亭〉の施工を担当した水沢工務店に全く同じものが残っていたので、それを使いました。」
「綺麗ですねー。するとあのテーブルは?」「あら、それは分かりません」
「水庭の木は紅葉しそうですね。水庭に落ち葉が見えないけれど、お掃除されるんですか」
「朝いちばんの掃除が水に入って落ち葉拾いらしいですよ」
「これからは、きつい季節になりますね」
「本当に・・」
赤坂迎賓館のすばらしさの一端を垣間見れた、思いがけない建物との出会いだった。

2階から1階を見下ろすと気持ちのいい空間にコーヒーの匂いが流れていて、時間がないと言いながら「珈琲飲んでいこうよ」と腰を下ろした。
窓の外は、そぼ降る雨に濡れた、寺町の風景があった。
金沢は雨が似合う。

施設名 谷口吉郎・吉生記念金沢建築館
住 所 〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目1-18
TEL・FAX TEL:TEL:076-247-3031
FAX:076-247-3032
MALL:kenchikukan@kanazawa-museum.jp
駐車場・
各交通機関
■ 駐車場:一般駐車場はございません。公共交通機関をご利用ください。
金沢駅からタクシー約15分
■ バスの場合:城下まち周遊バス、北陸鉄道バス「広小路」
金沢ふらっとバス長町ルート「24 野町広小路」
開館時間 9:30-17:00 (入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日*月曜日が休日の場合はその直後の平日
/年末年始 *12月29日から1月3日
*展示資料の整理のため休館することがあります。
入館料 一般310円 [260円]、
65歳以上210円 [210円]、
高校生以下無料
*[ ]は20名以上の団体料金
*特別展は別途料金が発生する場合があります
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