点ではなく、歩いて出会う京都 —— 六角通の小さな異国

京都市内に用事がある時は、四条通のデパートに車を停めるのが常だった。ところが最近は、2時間利用するには1万円以上の買い物が必要になり、娘の助言で御池通の公共駐車場に停めることにした。

この界隈は近頃とても賑わっている。歩いてみたかった場所でもある。
けれど、今日の用事は思うように運ばず、気持ちは思いのほか沈んだままだった。

帰り道、何か甘いものでも、と六角通を歩いていて出会ったのが、
t LOUNGE BY Dilmah Kyoto
スリランカの高級紅茶ブランド Dilmah の日本一号店である。

店内に足を踏み入れた瞬間、何となく足が宙に浮くような感覚があった。海外の店に入った時の、あのわずかな違和感に似ている。案内してくれたスタッフに、日本人ではない雰囲気を感じたからかもしれない。決して悪い意味ではない。むしろ丁寧で、柔らかく、心地よい。

メニューを持って現れたスタッフは、雰囲気ではなく、はっきりと異国の方であった。

紅茶の説明は実に丁寧で、思わず聞き入ってしまう。ポットの形も珍しい。ふと、店内のあちこちに見える「七」の文字が気になった。「これは何だろう」と話しているうちに、「七ではなく、teaのtなのではないか」と気づいた。

そう尋ねると、「そうなんです。私も最初は気づきませんでした」と、スタッフは嬉しそうに答えてくれた。どうやら彼女は韓国か中国のご出身らしい。打ち解けて話していると、今度は別のスタッフが、ラウンジの意匠の違う部屋や、壁にかけられた写真について説明してくれた。さらには一階の特別室まで案内してくださった。




話をすると、その方は少し前にスリランカから来日されたとのこと。日本語はスリランカで学び、今では実に流暢である。スリランカでは英語教師をしておられ、英語、日本語、シンハラ語、さらにはインドの言語にも不自由しないそうだ。今は韓国語を学びたいのだと目を輝かせて話してくれた。

語学習得の秘訣は何かと尋ねると、「とにかくその国に興味を持つことです」と即答された。その言葉は、深く胸に残った。

高級な紅茶と美味しいケーキ、そして思いがけない異文化交流。不思議な空間に身を置くうちに、すっかり気分転換ができていた。先ほどまでの落胆が、いつの間にか遠のいていた。

今日うまくいかなかった用事のことを忘れ、足取りも軽く帰路についた。

これからは、車に頼るばかりでなく、少し手放して歩いてみよう。京都の町を、点ではなく線で、そして面で味わってみたい。
そんな思いを抱かせてくれた、六角通での小さな出会いであった。

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