雪の比良と、温かいコロッケ

慌ただしかった一月からの日々がようやく一段落し、ほっと気を抜きたくなった。
向かった先は「比良」。
雪をいただく比良山を眺めると、なぜだか故郷の山のように心が落ち着く。
そして駅前にある「ほっとすてーしょん」には、温かい飲み物と、変わらぬ優しい人たちがいる。

お昼の客足が落ち着いた頃を見計らってガラス戸を開けると、
「あら―」と、驚きと笑顔が混じった声が上がった。
そういえば、夏から訪れていなかったのだ。

それでもここは、何も変わらない。

熱い甘酒をいただきながら、とりとめのない話をする。
その合間にお惣菜を探すが、昼過ぎの時間帯に豊富に残っているはずもなく、並んでいた最後のパックを手に取った。

キッチンの奥から、揚げ油の香りが漂ってくる。
そうだ、ここのコロッケはテイクアウトできるのだった。
カレーとローズマリーの二種類をお願いする。
揚げたてを包んでもらうと、今日はもう家で調理する必要はなさそうだと思えた。

値上げラッシュで食品の高騰が家計を直撃しているというのに、「ほっとすてーしょん」のお惣菜は、どういう仕組みなのかと首をかしげたくなるほどに安価である。

我が家三人の夕餉の食卓に並んだのは、
二種のコロッケ、おからのサラダ、丁字麩のからし酢味噌和え。

これだけが、二千円で整う。

雪の比良山の雄姿と、まだ温もりの残るコロッケを抱えて帰った。
そんな、平凡で、ありがたい一日である。

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