信州の桃:不運に翻弄された一日
桃の季節になると、どうしようもなく信州に行きたくなる。観光地を巡ることが目的ではなく、産直市場を回るだけで十分である。
昨年の信州行は20日過ぎであった。桃やスモモ、ブルーベリーにトウモロコシが山積みされており、どれも美味しく、家に帰ってからしばらくの間はそれらを見ながら満ち足りた日々を過ごした。
そして、今年は待ちきれず少し早めに出掛けた。ところが、どこにも桃は見当たらなかった。山梨のJA桃選果場が既に行列が出来ているとのニュースがあったので期待していたが、産直市場ですら2個入りパックが申し訳程度にあるだけだ。「雨天続きで果物の収穫が遅れています」との放送があったが、虚しく響くだけだった。
産直市場グリーンファームの不思議な雰囲気
道中に桃の旗を立てているところがあったので、そこまで帰ってひと箱買った。なぜそこにだけ桃があったのかは不思議であったが、とにかく桃を手に入れられたことにホッとした。
帰り道は「信州里の菓子工房」に寄って栗ソフトを食べて体勢を立て直して一気に帰るのが常である。
「15周年記念で300円のソフトクリームが半額になる」というお知らせを頂いていたが、なぜか静かな雰囲気で駐車場にも空きがあった。「周年記念祭ですよね」と尋ねると、「はい、昨日までです」との答え。300円でも十分安いし価値ある300円だが、ここまで外されると「ついてない」としか言いようがない。
モンテリーナ 日本中から美味しいものを集めたショップが1階に在る。
時々小雨が降るような天気で駒ケ岳は全く見えなかった。「リベンジしなければ」と固い決意で帰りかけたが、中津川から小牧の間は道路工事で交通規制中。行きは3時間、帰りは4時間かかり、体力よりも気持ちが疲れる信州行であった。
信州の旅は毎回楽しみだが、今年のように予期せぬ出来事に見舞われることもある。それでも、美味しい果物や心地よい風景に癒される信州は、やはり特別な場所である。
帰宅後にブルーべりジャムや外れの桃でコンポートを作ると、夏の信州が目に浮かび、また信州を訪れる日が楽しみになる。
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