割れ鍋に綴じ蓋

猛暑の続く毎日にも関わらず、家人は飽きることなく庭仕事に没頭している。その姿を見ていると、大汗をかきながら黙々と庭木を切り、小さくしてゴミに出す作業の大変さが伝わってくる。狭い場所でこの仕事をするのは並大抵ではない。ねぎらいの言葉の代わりに「お水でーす」と冷たい水を運んで、熱中症に気を付けている。

私が挿し芽をしたクレマチスの苗は、気がつけば植え替えられていた。気になっていたけれど「暑くて外に出たくない」理由や、「根付いてなかったらショック」という気持ちで「見たい」「見たくない」の葛藤があった。しかし、家人は何の躊躇もなく植え替えをしてしまった。「根付いていた?」と聞くと、「根が出てるのもあるし、出そうなのもあった」とのんびりと答えてくれた。
実は、私は発芽したクレマチスを見たいと楽しみにしていたけれど。


家人は「あんたの後始末だけでも大変」と言いながらも、薔薇を切れば必ず挿し木で取り置きをしている。
狭いバックヤードには、また次の挿し芽の鉢がズラリと並んでいる。

私が中途半端だからこそ、家人が仕方なくやっているのかもしれない。でも、もし私が家人のようにきちんとできる人間だったら、家人の人生はさぞつまらないものだったのではないだろうか。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

ガーデニングの情報収集

ブログランキングでガーデニング関連の情報を収集できます!
ページ上部へ戻る