旅ゆけば

大きな重箱に選びに選んだ好物を詰め込んだような旅をした。
私にとって東北は北海道より遠い。
それほど馴染みがないと言う事だろう。
ところがある時、旅行社から送られたパンフレットの中に衝撃的な橋の写真を見つけた。
その橋が弘前と五所川原の間にある「鶴の舞橋」だ。
鶴が羽根を広げたような優雅な橋の写真は、私の頭の中に居座ってしまった。
1994年7月8日、津軽富士見湖に全長300mの日本一長い三連太鼓橋は竣工した。
凡そ30年が経過している。
木部はそれなりの経年を感じさせるけれど優美な橋の姿は変わらない。
岩木山が良く見える日なら山を背景にして一服の絵画のようにさえ見えるのだろう。
私が行った日は雨降りの翌日の午前中だったので岩木山の半分が雲の中だった。
けれど長年の念願が叶ったのだから、満足感に全身が包まれるような感動をした。
今度の旅は9日間と長い旅になるので、仙台まではフェリーで移動した。
19時間と長い船旅なのでバス、トイレ付きの部屋を選んだ。
長い時間をどう過ごそうかと本などを持ち込んだけれど、部屋から出たのは食事の時だけで、ほとんどウトウト眠って過ごした。
これは大正解で、翌日から始まる怒涛のスケジュールの為には何よりだった。
重箱には「鶴の舞橋」のように見たい風景と、行きたいレストランと津軽三味線、美術館、ガーデン巡りがぎっしりと詰まっているのだから。
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