旅ゆけばー鑑賞編・本間美術館・土門拳記念館

奥入瀬から酒田市までの旅程は、予定到着時間を越えてしまった。
山道で雨に降り込められたのでの「道の駅」で時間をつぶし、土門拳記念館だけ行ければいいと計画を変更したのに、日本海側に出ると、急に雲が切れて明るくなった。
そんなこんなで酒田観光に残された時間は2時間も無かった。
沢山見学予定をしていたところから厳選した見学地は山居倉庫と本間美術館。
「本間家旧本邸別館」は過去の旅行で見学している。
この頃は豪邸を見過ぎてそれぞれの特徴も混然としてきたが、本間家には忘れられない俗歌があったので印象に残っている。
「本間様には及びもないが せめてなりたや殿様に」
意味は「本間様にはとてもなれないが、せめて殿様になりたい」というもの。
商人にはとてもなれないが、せめて大名になりたいというところに、当時の本間家の繁栄ぶりをしのぶことができる。
残りの時間が30分になった所で美術館に到着。
「30分で見学出来ますか?」と受付で聴くと「大丈夫ですよ。庭園見学のあとは美術館の方にもお寄りください」と愛想よく言って下さった。
庭園は鳥海山を借景とする池泉回遊式庭園。
池の中島に鶴が舞い降りたことから、藩主酒井侯により「鶴舞園(かくぶえん)」と名づけられた。
庭園の整備は、冬期間に港で働く人々の失業対策事業として実施された。


日本庭園は実は良く分からない。
回遊式庭園と言われるところは多い。
池には小さな橋が架かっていて、それらしい場所には灯篭が置かれている。
なので、庭園見学はサッと終えて興味のある建物、清遠閣(せいえんかく)へ向かった。
この建物は1813年に建設された。今から200年以上前になる。
ところが、この建物のしつらいは懐かしく大正浪漫の匂いがした。



今はCafeとして使われているので特にそう思えたのかも知れないが。
椅子やテーブルに歴史の香りがした。
天気の悪い日だったので鳥海山は残念ながら見えなかったけれど、座敷に漂う優雅さ、上品さは時代がどう変わろうと「良いものは良い」と確信させる佇まいだった。

土門拳記念館は5時に閉館するので中には入れないけれど、谷口吉生の設計なので建物だけでも見たいと思った。
過日、金沢建築館を見た時からファンになった。まだ湯気が出そうにほやほやのファンだけれど。

記念館は、飯森山公園の中にあって、美しい自然林と丘を背景として、前面に池を配し、鳥海山を眺望する絶好の場所にあった。



彫刻 イサム・ノグチ「土門さん」


銘石 草野心平「拳湖」

酒田市は一日時間があっても足りない魅力的な街だった。
旅程の立て方に反省を残した。

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