石垣の里外泊-愛媛県愛南町

外泊と書いて「そとどまり」と読む地域が愛媛県にある。
入江に面した急斜面に、ほとんど軒下まで石垣で囲った家々が立ち並ぶ集落である。
台風や潮害、季節風などから人々の暮らしを守るために、軒に達するほど高く作られた生活用の石垣だった。それは、江戸時代末期から明治時代にかけて築かれたと言われている。
その景観から石垣の里として知られ今では「日本の美しいむら農林水産大臣賞」を受賞した。また「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」や(財)古都保存財団の「美しい日本の歴史的風土100選」にも選ばれて、日本を代表する石垣文化の一大景観地となっている。




外泊は四国にあると聞けば近いと思うけれど、関西からは九州に行くほど遠くに感じる場所だった。けれども私には「ゆすはら」同様にどうしても行きたい四国の聖地になってしまった。
思い切って、外泊まで足を延ばした。
海沿いにある駐車場に車を停めて歩き始めたが、ちょっと息の上がる中々の坂道で日常にこの道を使うとしたら高齢になっても住み続けられるのだろうか、宅配さんは大変だろうと余分な雑念が生まれてしまった。
坂道の途中で振り返ると小さな港が見えた。
そこは宇和海で、鯛やハマチやマグロの養殖をしている。

この海で仕事をする家族を見守るために、そして海の様子を見るために「遠見の窓」と言って石垣の一部が低く造られている。その窓は台所の前に作られていた。家族の愛情を感じる窓だ。

歩き始めてしばらくすると何処からかニャンコが現れた。
私の脚にすり寄って来るので危なくて仕方がない。
どうやらガイドをしているつもりらしい。

道の途中に「だんだん館」と言う憩いの場がある。
観光の拠点として整備されており、海を眺めながら食事もできる。
ニャンコはそこまで私を案内すると入り口で立ち止まり動かなくなった。
お昼にはちょっと早くお腹も減ってなかったけれど、内子町で食べそこなった「真鯛ごまだれ丼」が気になって、二人で一人前をオーダーした。
名物のごまだれ丼をやっと頂けた。

だんだん館を出て歩き出すと又ニャンコが付いてくる。
ニャンコが水を飲み始めたのでその隙に先に進み上手くはぐらかした積りだったのに、いつの間にか又前を歩いている。
ニャンコは集落を出て車道を渡るところまでずっと一緒に歩いた。
車道を渡り振り返るとニャンコの姿はなかった。
写真は1枚写したけれど、後で見返したら写ってなかったとなると怖いけど、ちゃんとありました。

近くの高茂岬に足を延ばした。
愛媛県の南の果てにあるのが「高茂岬」(こうもみさき)である。
豊後水道に突き出した船越半島に位置する高茂岬は100m級の断崖絶壁が続く絶景があった。
晴れた日には九州まで見える。
一番のお勧めは海に沈む夕日だそうだ。
駆け足では勿体ない所だったけれど、今回は駆け足だった。


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コメント

    • 本間明子
    • 2023年 12月 21日

    随分、知らないところをブログを通して見せていただきましたね~~
    これからも、新発見 楽しみにしていますよ

      • skog
      • 2023年 12月 23日

      本間さん、いつもコメントをありがとうございます。不思議な現象や風景にはとても興味があって確かめたくなります。そろそろ引退しようかと思うのですが。長いブログを読んで頂いて感謝です。

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