墓参りと故郷への思い
友人や知人が彼岸に渡ることが多くなった。家人は6人兄弟のうち3人を、私は4人の兄姉のうち3人がすでに亡くなった。今年の3月に実兄を突然亡くした。実家の家族を全員失ってしまったときの喪失感は例えようのない淋しさだった。
お盆になれば、彼らは帰って来るのだろうか。
今日は家人の実家のお墓参りに出掛けた。相変わらず道路は大渋滞である。
家人の実家のお墓は、引き上げの港で有名な京都府舞鶴市にある。舞鶴へ向かう道はいくつかあるが、私は琵琶湖から朽木を経て小浜に抜ける、鯖街道で有名な山道が気に入っている。今日はそのルートを選んだが、いつもは空いているこの道も所々で渋滞していた。途中、安曇川の河川敷にはびっしりとテントが張られ、キャンプを楽しむ家族連れがたくさん見受けられた。
のんびりとした山間の道を抜けて日本海に出ると、静かな海の風景が広がる。日本海側の海岸は海水浴に訪れる人が少なく、夏の海には少し寂しさを感じる。この海岸からは、かつて北朝鮮に拉致された事件が起きたこともあり、車を降りることには少し躊躇がある。以前は素敵なカフェがあったが、いつの間にかその姿は朽ちてしまった。
里山風景や海の景色を楽しみながら、退屈する暇もないドライブコースが続く。
時折、町を抜けると、新しいスーパーがいつの間にか出来ていたりするのも楽しい発見になる。
家人にとっては、故郷に近づく風景は懐かしいものであろう。
お墓に鬼灯や桔梗の花を供え、手を合わせた。
墓石に刻まれた義両親の享年は共に74歳で、私たちもいつの間にかその年齢を越えてしまった。「段々そちらが近くなりました」と、しみじみと思いを馳せながらお参りをしてきた。
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