小浜の寿司屋体験記
グルメサイトで評価の高いT氏が小浜の「すし正」を取り上げていた。この店はずいぶん過去に一度訪れたことがあるものの、特に印象に残っていない。しかし、舞鶴に向かう途中でこの寿司屋に行くことを決めたのは、評判の良さを確かめたいという思いからである。
すし正本店は11時半からオープンするとのことであるが、口コミによれば地元の方々に愛されており、12時には満席になることが多いとのことである。連休中という事で11時半までには到着しようと時間調整を行い、店に着いたのは11時15分であった。駐車場にはまだ一台も車が停まっておらず、店の前には「11時半くらいにオープンします」という張り紙がされている。営業することは確信したので車の中で待っていた。
時間になると愛想の良い大将が車まで迎えに来てくれた。
いよいよ店内に、そして口コミで評判の「焼き鯖ちらし」と「三種盛り」をオーダーした。
「それが一番評判がいいんですよ。口コミらしいけれどね」と大将は笑顔で話していた。しかし、口コミ通りおしぼりが来ても、お茶は出なかった。連休中にもかかわらず他の客も来ない、最後まで私たち二人だけであった。
多分オーダーするであろうと想定出来るメニューなのに、ようやく12時少し前に「焼き鯖ちらし」が出てきた。
酢飯の上に錦糸玉子と青じそが乗り、その上に焼き鯖が荒くほぐして乗せられていた。焼き鯖は香ばしく、そのままでも十分美味しいが、つめをまぶしている。味としては不味くはないし、美味しいかもしれないが、焼き鯖の味に頼りすぎている感が否めない。それ以外に特別な工夫はなく、2000円という価格設定は高く感じられる。丹後のバラ寿司なら鯖缶で作るが、もう少し手間がかかってもこの寿司の半額程度である。
三種盛りは、ちらしに加え、シメサバの握りと小鯛の握りが盛り込まれている。しかし、ぺしゃんとした酢飯の上に申し訳程度に載せた小鯛と薄い鯖は、期待を裏切るものであった。
握り方は緩く、箸でつまむと酢飯が醤油の中に落ちてしまった。これで2400円は高く感じられる。
関東の寿司屋に慣れている人なら、これでも安く感じるのかもしれないが、2000円で寿司を食べられるだけで感激するわけにはいかない。丹後のバラ寿司なら1000円で楽しめる。鯖寿司に慣れた関西人としては、なかなか納得のいかない結果であった。もしかしたら経営者が変わったのかもしれない。
以上が今回の訪問の感想である。寿司を楽しむには、他の選択肢を考えるのも一案かもしれない。
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