ラメンタス発見記 ― 臼杵の味噌屋のユーモア

調味料の棚を眺めていたところ、紙に包まれた小さな瓶を見つけた。
手に取ると、それは春先に大分県臼杵市の「カニ印味噌」で買ってきた「ラメンタス」であった。すっかり存在を忘れていたのである。


包み紙に記された「よくある質問」を読み進めるうちに、思わず吹き出した。

「ラメンタス」とは、ラーメンに少し加えることで旨味がぐんと増すように作られた調味料である。ラーメンのみならず、チャーハン、ハンバーグ、焼きおにぎりなどにちょい足ししても美味しくなると説明がある。

しかし、その「よくある質問」が秀逸であった。

Q 刺身に使えますか
 A 使えません。よく考えて。想像して。

Q 味噌汁に入れられますか
 A ないない。ぜったいない。

Q ハンドクリームですか
 A もっかいよく見てみ。

もはや質問でもなんでもない。メーカーが遊び心たっぷりに書いた使用書である。

臼杵といえば臼杵大仏や臼杵せんべいが知られているが、日本全国の人に尋ねても地図で即座に指せる人は少ないであろう。そんな小さな町の味噌屋が、これほど愉快なコピーを生み出しているのだから驚きである。店を訪ねたときにも、思わず「このコピーを書いた人に会ってみたい」と感じたものである。



紙の表面には「ラメンタスの使い方」も記されていた。
インスタントラーメンに加えることで味を底上げできるが、「白湯に落として麺を食べても正直旨いはずはありません。あくまでメーカーのスープにちょい足しするものです」ときちんと説明されている。

さらに注意書きとして、「ラーメン屋さんに持ち込んで使用しないでください」とある。
理由は明快である。「おそらくラーメン屋さんにげんこつされます。出て行けって怒られます」と。ここまで書かれては笑うしかない。

もう少し涼しくなれば、ラーメンが一層美味しい季節になる。忘れていたこの「ラメンタス」を、ぜひ試してみたい。ユーモアと誇りを併せ持つ臼杵市・カニ印味噌の調味料は、味だけでなく心まで豊かにしてくれるのである。

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