吉野路-奈良県②

吉野の気になるお店の2店目は葛屋 中井春風堂

賞味期限10分の葛切りを賞味したかった。
葛切りをオーダーすると、お客の要望に合わせて「賞味期限10分」の訳を葛切り、葛饅頭造りの過程を交えて説明してくれる。
葛の花は、よく知っているけれど、くるくる回るツルや花からどうして葛を造るのか長年の謎が解けた。
聞けば当然のことながら、葛を造るのは葛の根を絞る作業に始まる。
風邪薬の「葛根湯」は有名。
写真の下部にゴロンと横たわるのが葛の根である。

横たわる根っこは見本なので可愛らしいが、実際はそんなものではないらしい。
山に分け入って葛を掘り出すのには「堀り子」と呼ばれる専門の職人さんがいる。
その根っこを粉砕してデンプンを抽出するそうだ。
葛が高いのは抽出の手間が非常にかかるから。
本葛は高額過ぎて菓子の単価も上がるので、芋のデンプンを半分混ぜて使う葛菓子が出来ている。
葛を買う時は「本葛」か「葛」か書いてあるので確かめると良いそうだ。

それから、手品のごとく葛饅頭と葛切りを作っていくのだが行程は熟練の店主の手に寄れば、いとも簡単そうだった。
使うのは葛と水とガス火と熱湯。

葛の上に水を入れると、この2つは分離して葛は沈み水は上澄みになる。
分離したものをガス火にかけると、葛はどんどんまとまる。

つまり、水で分離するけれど、熱すれば纏まるという性質を利用して葛万頭は出来る。
葛切りは四角い箱金型に入れて熱湯に漬けると透明になる。


工程の少しの差で葛饅頭は柔らかく葛切りはこしが出る。
本葛が透明感を保てるのはほんの10分で、それ以上では濁りが出て来る。
それが賞味期限10分の理由という訳だ。

葛切りが出来上がると直ぐテーブル席に案内された。

トップ写真の絶景が見えるカウンター

先ずはそのままで、次に蜜ときなこでお試しあれ。
出来たてほやほやと言うのはそれだけで美味しい気がするけれど、やっぱり甘みを足すと方が美味しい。
吉野杉のお箸は持ち帰り出来るように箸袋が用意されている。

お持ち帰りできる「葛饅頭」は安納芋とこし餡の2種
我が家は、安納芋に軍配が上がった。

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