庭に咲く小さなドラマ
我が家の庭では、夫婦それぞれの思いが交錯し、日々ささやかなドラマが繰り広げられている。
庭は、毎朝家人が丹精込めて手入れをしているが、午前中には30℃を越える暑さとなり、私が庭に出ることはほとんどない。そのため、いつの間にか夫婦での役割分担になり庭の管理は家人の仕事になっている。
昨日の夕方、庭を眺めていると、クレマチスが再び花を咲かせていることに気づいた。以前、花が終わった後に切り詰めたにもかかわらず、新しいシュートが伸び、いつの間にか再び花を咲かせていた。
この猛暑の中で花を咲かせるクレマチスは、見た目の可憐さに反して、案外タフな性格であるようだ。
狭い庭なので土が見え始めると、家人はほっとした様子で雑草を抜き続ける。しかし、この草抜き作業は私にとって少々憂鬱である。ジキタリスやリナリアなど、こぼれ種からの発芽に期待している私にとって、それらは雑草ではなく未来の花である。しかし、家人にとってはそれらもただの雑草に見えるようで、きれいに片付いた庭を満足げに眺めている。そんな様子を見ていると、言いかけた言葉を飲み込むしかなかった。
我が家の庭は、家人と私の異なる理想が反映される場所である。お互いに相手の思いを尊重しているつもりではあるが、実際にはそれぞれが抱く理想が共存している。それでも、植物が育ち、花が咲く喜びを共有することができるのは幸せなことである。
皆様のガーデンにも、我が家の庭のように、小さなドラマがあることだろう。それぞれの思いが交差する庭での出来事の解決法はどうされているのだろうかと、フッと思った。
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