名残の寒さと比叡山の雪

昨日の寒さは特別であった。
マイナス気温の朝は真冬にはよくあることだが、春の兆しが見え始めた頃に訪れる雪の朝は、体が驚いてしまうものだ。暖かさに慣れかけた頃に急激な冷え込みがやってくると、より一層寒さが身に染みる。
比叡山を見ると、まるで等高線が引かれたかのように美しく雪が積もっていた。雪の境界線がくっきりと現れ、まるで絵画のような風景を作り出している。
積もりたての雪はふわふわと柔らかそうで、まるでソフトクリームのように見える。風に舞うことなく、静かに山々を覆う雪は、まるで冬の名残を惜しんでいるかのようだ。
雪は午前7時ごろから再び降り始めた。びわ湖の上空だけがわずかに明るく、その向こうには春の気配を感じさせるものの、山の方には雪雲が集まり、今にも降り出しそうな気配を漂わせている。冬と春がせめぎ合う、そんな一日の始まりであった。
昨日はスズメの姿も少なかった。普段は賑やかに飛び回る鳥たちも、厳しい寒さの前ではじっと身を潜めているようだ。
この寒さが今年最後の寒さであるらしい。
今日はお彼岸。「暑さ寒さも彼岸まで」今日一日我慢をしよう。
そう思うと、名残惜しいような、しかし春を迎える喜びのほうが大きいような、不思議な気持ちになる。
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