朝の陽射しと埃の物語

明るい陽射しが差し込むと、普段は気づかないものが目に飛び込んでくる。特に階段。
階段は、家族が行き来するたびに風が生まれ、空気が動く場所だ。当然、埃もどこからともなく集まり、ひっそりと溜まっていく。陽射しに照らされるその光景は、まるで別世界のように感じられる。
しかし、実際には他の場所にも同じように埃は存在する。例えば、テーブルの下。気をつけて掃除しているはずなのに、椅子の脚カバーには埃がこびりついている。どんなに掃除しても、完璧にはなくならない。
新しく買った掃除機で床掃除をすると、浮かび上がる埃の姿。髪の毛や繊維のくず、さらには外から入り込んだ砂や花粉も混じっている。
でも、それもまた“生きている証拠”ではないか。
これまで気づかずに過ごしていたけれど、そもそも埃のない生活なんてありえない。まるで家に住みつく酵母のように、それぞれの家には独自の埃があるのだろう。そう考えると、埃まみれの暮らしこそが、人の暮らしそのものなのかもしれない。
今日もまた、陽射しの中に埃が舞う。
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