飛騨の山を越えて——高山経由の帰路

松本から大津への帰り道は、同じ道を戻るのを避け、富山周りは時間がかかると考え、高山経由とした。
松本から高山へ向かうには、飛騨の山を越えていく。昨年秋に訪れた上高地へのバス乗り場は、さすがにひっそりとしており、周囲には雪の壁ができていた。道路を除雪した際にできた雪のようだった。松本も高山も夏日のような陽気で、半袖の観光客も見かけたが、山の中はまだ冬の気配が色濃く残っていた。


高山に到着するのは11時頃の予定なので、運が良ければ「トラン・ブルー」のパンを買えるかもしれないと考えて、高山の目的地は「トラン・ブルー」とした。予想は的中し、行列は10人ほど。いつもはハード系のパンばかりを選ぶが、今回はデニッシュブレッドをチョイスし、出来立てを隣の庭で食べることにした。これをランチとすることにしたのだ。ここでなければ、焼きたてのパンを味わうことなど叶わないのだから。


ランチの後は、高山の「古い町並」と呼ばれる上町・下町の三筋を歩いた。しかし、これまで経験したことのないほどの人混みで、まるで京都の清水坂を歩いているかのようだった。店の顔ぶれも随分と変わり、飲食店が目立つようになっていた。飛騨牛の握りや串焼きに行列が出来ていた。


みたらし団子はかろうじて健在だったが、伝統工芸の春慶塗の店は閑散としていた。日本酒の店はすっかり観光地化し、ツアー客であふれていた。高山は白川郷観光の前泊地として最適らしい。かつて日本の秘境と呼ばれた白川郷は、もはや秘境ではない。
観光客のほとんどが外国人で、松本のホテルでも朝食の時間に見かけた人の90%が欧米人だった。どこに行っても外国人観光客が目立つようになった。翻訳アプリによって外国も国内旅行並みになったようだ。
帰り際には、お決まりの「柏木工」のギャラリーをチェックし、帰路についた。

高速を彦根で降りて、琵琶湖岸を走ると山入端に落ちる直前の太陽と暮れなずむ空が迎えてくれた。

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