四郷串柿の里を訪ねて―和歌山県かつらぎ町
柿を干している風景は、心を和ませてくれる。
我が家も20kgの柿を干している。
それでも沢山の柿を干している風景が見られるとなると、矢も楯もたまらず見たくなる。
和歌山のかつらぎ町は、お正月の鏡餅に飾る串柿を11月になると準備をする。
串に10個の柿を刺してそれが簾のようにつるされるという情報を得たのは、パソコンをググっている時に偶然見つけた。
そして、今日晴天に誘われて出掛けたけれど、案内地図があるわけでもなく、山の住所はいたって曖昧。
カーナビでは分からず携帯ナビで探すけれど、磁石がぐるぐる回るので方向が定まらず、対向車が来たなら絶体絶命の車幅ギリギリの道を上っていった。
行けども行けども行きつかず、果たして元に戻れるのかと不安になった頃、行き止まりに1軒の家があり、人の声がした。
「串柿の里に行きたいのに道に迷って・・」と話をすると「こんなところに迷いこんで・・」と帰り道の心配をして下さった上に、20km先の串柿を干している家の住所を教えてくれた。
命からがらそこから脱して四郷に入ると、又もや来たことを後悔するような細い道だった。
そして行き着いた先に、絶景の風景があった。
道が狭いので注意をして来るようにと、問い合わせをした役所の方に言われたので、細い道にカメラマンが三脚抱えて殺到しているのだろうと想像して、早い時間に家を出たけれど、それは杞憂だった。
ここには大型車は入れないし、運転技術に覚えがなければ入れない。
道路から見ると、見上げる高さにある山の上だから串柿をつるせるのだ。
山道は細く、くねくねと続けば流石にしり込みをする。
けれどバックなんてとんでもない、前に行くしかないのだ。
その先の道が途絶えたらどうしようという不安が付きまとい、今家でブログを書いていることを幸せと思うくらいにジンジンする道だった。
一度行けば二度目はかなり気楽に行けそうな気がしないでもない。
宅配便の軽トラックは普通に入っていたのだから。
道を教えて頂いた農家で、ミカンの木の枝をグイっと折ってくれた。
子供の頭ほどある柚子を珍しいと言ったら、それも追加。
携帯番号を交換して、もし道に迷ったら電話していいよと心強い言葉と共に。
串柿の里に着いて、すぐお礼メールを入れた。
「是非お礼をさせて頂きたいので、ご住所を教えて欲しい」と言ったら、「なんだか申し訳ないなー」と言う言葉と共に、「自分は今年初めてミカンつくりにかかわったから、そのミカンを送ります」なんて嬉しいメールが返って来た。
ここでも感じた「旅は道ずれ、世は情け」
だから、旅はやめられない。
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