八尾の町を訪ねて ― 風の盆の前日

9月1日から始まる「風の盆」の準備で慌ただしい八尾の町を訪ねた。
八尾を訪れるのは今回で何度目になるであろうか。和紙の里として訪れたこともあり、今回は小説『潮音』の主人公・弥一の故郷として歩いてみたいと思ったからである。

訪問の時期がちょうど祭りの前日に重なったが、町の空気はのんびりとしていた。
有名な諏訪町の坂道に立った。
真夏の太陽が照りつけ、夜の幻想的な姿とはまるで異なる景色である。
家々ではぼんぼりの点灯準備が進められていた。
祭り前日の町は華やかさよりも、日常の延長線上に「風の盆」が根づいていることを強く感じさせた。

八尾に友人を持つ人の話によれば、この町で暮らす以上「一年中が風の盆」であるという。富山市内の学校でも盆踊りを練習しているため、誰もがいつでも踊ることができるのだそうだ。

風の盆を支える存在が「地方(じかた)」である。
唄い手、囃子方、三味線、太鼓、胡弓――その音がなければ風の盆は成り立たない。
地方を担えない人は交通整理など裏方として支えている。しかし誰もが地方を目指して努力を続けている。町全体で祭りを守り伝える姿勢がうかがえる。

この日の八尾は、肌が焼けるほどの暑さであった。
町にはコンビニもなく、かき氷を探しても見つからない。休憩できる場所もほとんどない。
露天は準備に追われ、観光客を迎える雰囲気ではなかった。私は早々に町を後にした。

1日から3日間、夜の帳とともに町は一変するであろう。
私が見たのは、その直前の、暑さに包まれた真夏の八尾の姿であった。

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