富山は懐かしい町、新鮮な魚を食す町

富山の夜は、富山城を見下ろすホテルだったので、ライトアップされた富山城の白壁が幻想的に浮かんでいた。
住宅地暮らしの私にとって、ホテル脇の道路を行き交う車のヘッドライトさえ旅情と感じられる。
カーテンを開けて街を眺めるのは、私の旅のささやかな楽しみ。 北海道で函館山を正面に見る部屋に泊まった時のドキドキ感を思い出し、今夜もまた旅心がくすぐられた。
夜になって本降りになった雨は朝まで残ったがチェックアウトタイムには上がった。今年は富山に三度訪れて三泊しているけれど、結局立山の雄姿は一度も見られなかった。
富山と言えば、やはり新鮮な魚を求めて市場やスーパー巡りをするのが楽しい。 地方のスーパーは私にとって「ワンダーランド」だ。調べたところ「黒崎屋」というスーパーが人気と聞いて、早速訪ねることにした。鮮魚店としての歴史をもつ黒崎屋には、新鮮な魚介類が所狭しと並んでいるという情報に心が躍る。スーパーらしくない建物で、事前にスーパーの写真を見ていなかったら、素通りしていただろう。中は一転、鮮魚が豊富に揃ったスーパーだった。
魚売り場は広く、鮮度抜群の大ぶりな魚が半身で売られていたが、私は家庭向けのパック入り切り身を探して、鯖や鰆、イカ、大トロを購入。調理もしてもらえた。店内は地元の飲食店らしい人達で賑わっていた。近くの氷見港や岩瀬で朝に水揚げされたという魚達、確かに富山の新鮮な海の恵みを感じさせてくれた。
思いたって総曲輪商店街に向かった。
ここは半世紀前に自転車で走っていた場所である。富山城を横手に見て総曲輪商店街を抜けると住んでいた清水町の家に着く。と思っていたけれど今ではそれが何処になるのか分からなくなった。
この商店街の想い出と言えば銅製のやかんを買った事。コロンと丸い形が好きで多分考えたら買えなかったものを、考えずに買った。火が当たると黒く汚れて手に負えなくなった。今だったら綺麗に使えたのにと総曲輪商店街を通る時は何時も思い出す苦い思い出だ。
最後に「地場もん屋」で地元野菜を買い、「林ショップ」で素敵な器を手に入れて、この小さな旅は幕を閉じた。
ご参考までに
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