晩秋の信州と市田柿の季節

今年もまた、天気に振り回される秋の始まりだ。 肝心な時に限って雨が続くのは、どうにも気になるものである。
美しい紅葉とともに、長野県高森町の農家さんまで市田柿を買いに行くのが我が家の秋の習慣だ。

この頃の信州は、特に落葉松の紅葉が美しい。 山全体が燃えるような赤と黄金色に染まる風景は、一年で一番好きな景色である。 高森町からは少し先まで走って、権兵衛トンネルを抜けて国道19号線の上りを走る。中津川まで紅葉を楽しみながらドライブが続く。途中で立ち寄りたい名所は沢山あるけれど、日帰りでは時間が足りないため、栗きんとんで有名な「すや西木」まではずっと車を走らる。

「すや西木」に到着する頃には日も暮れていることが多いが、喫茶には長蛇の列ができている。ここで「栗汁粉」を賞味しなければ干し柿のシーズンが始まらないから、ひたすらに並んで順番を待つ。

市田柿を求めて信州まで足を運ぶ理由は、その甘さにある。 小粒の柿で、干し柿にすると他のどの干し柿にもない和菓子のような上品な甘さがある。毎年この時期は、農家さんが吊るした柿の簾が連なる風景も美しく、これを見ると距離のことなど気にならない。

今年は、養命酒の「くらすわの森」がリニューアルオープンしたと聞いるので、ぜひ寄ってみたいと思っている。
このひと時が過ぎれば信州は半年はご無沙汰となるので、今年も信州の紅葉と市田柿の風景を心ゆくまで堪能したい。

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