高岡市金屋町筋 – イベント期間外、閑散とする町は寂しい

高岡市はクラフトの町で今年も「工芸都市高岡2022クラフト展」が9月23日(金・祝)～9月25日(日)に開催された。
旅先でパラパラめくっていた雑誌で高岡市ではクラフト展が開催されるのを知って気になっていた。
2019年にも訪れているけれど「風の盆」が目的だったから展覧会に早すぎた。

今年は10月だから遅すぎた。
クラフトの町というからは、開催期間が終わっても新潟県の十日町のように何か常設されていると期待したけれど、静まり返った町の中には何も見いだせなかった。

重要伝統的建造物群保存地区の建物と千本格子造りの家並は何時来ても、何回見ても見とれてしまう。
クラフトは見られなかったけれど、建物と通りを散歩するだけでも来た甲斐がある。

金屋町は高岡銅器産業の発祥の地である。

高岡築城直後の1611年（慶長16年）、高岡に隠居していた加賀前田家2代当主利長は、領内の砺波郡西部金屋から7人の鋳物師をこの地に呼び寄せ、幅50間、長さ100間の土地を与えて鋳物場を開設させました。また、諸税や労役を免除するなど多くの特権を与えて手厚く保護したことから、この地に鋳物産業が根付き、今日の高岡鋳物発祥の地となっています。

現在は、多くの工場が郊外に移転しましたが、千本格子の家並みが大切に保存されており銅片を埋め込んだ石畳にマッチする美しいたたずまいを見せています。2012(平成24年)に、鋳物師町として全国で初めて、伝統的建造物群保存地区の選定を受けました。
また前田利長公の命日に当たる6月20日には利長公への報恩・感謝の意を込めて「御印祭（ごいんさい）」が盛大に執り行われます。
特に祭りの前夜に行われる「弥栄節（やがえふ）街流し」は、金屋町の老若男女はもとより、近隣の保育園児、小中学生や踊りの愛好家の方々などが大勢参加され、華やかで楽しい祭りとなっています。

高岡観光ポータルサイトより

殆どの店が閉まっていた中、蔵を抜けて行ったこちらのコーナーが開けられているようだった。

けれど、これにはがっかりした。

旅先で地元の人と話をする機会は買い物の時が一番多い。その機会がなければ、買う気は失せる。社会全体が効率化優先になってきたのだろうか。

ランチは奮発して、茶寮を予約した。

古い民家をリノベーションしたと言う所に魅かれたけれど、私たち二人の為だけに開けられたようだった。実はここを選んだことに後悔してしまった。
静か過ぎる食事では旅のわくわく感が湧いてこないし、料理も私のコスパ感に合わなかった。

人の姿が町から消えたように静まり返っていると、古い町はもの悲しくもなる。クラフト展やお祭りは賑やからしいけれど、折角の町並みがあるのだからもう一息観光客にアピールして欲しい。

珍しいデザインの鏝絵（こて絵）

こて絵とは、日本で発展した漆喰を用いて作られるレリーフのことである。左官職人がこてで仕上げていくことから名がついた。題材は福を招く物語、花鳥風月が中心であり、着色された漆喰を用いて極彩色で表現される。これは財を成した豪商や網元が母屋や土蔵を改築する際、富の象徴として外壁の装飾に盛んに用いられたからである。

フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

黒い壁に美しい屋根、古い街を歩けば似たような建物はあるけれど、何処と比べても高岡の建物は群を抜いて美しい。
もっと沢山の人に知って欲しいと思うし、見て欲しい。

今、高岡で勢いのある能作を訪問した。
この会社は、ライフスタイルの変化から作るものを仏具や茶器から食器や生活雑貨に換えた。
現在は観光客を集めて人気スポットとなっている。工場と本社は高岡市の中心から10km程郊外にある。

エントランスには木型を美しくディスプレイ。

平日だったので工場を見学することが出来た。何が分かる訳でもないけれど。

敷地内のカフェIMONO KITCHENは、メニューが充実していてお昼時は何時間待ちにもなるとか。夕方だったので人は少なく、お得セットのベーグルを1000円残っていた旅行クーポンを使って買った。これから先は石川県になるので、富山県の分はここで使い切る計画だった。
お店のスタッフの方も「お上手ですね」と笑ってくれた。こんな何気ない会話が楽しい。