ものつくりの町-新潟県 燕市 三条市

金属の町と言うと、すぐに燕三条と思いだす。
ところが、燕三条市という地名はなく、燕市と三条市を合わせた呼称なのだそうだ。
この町の金属製品は、一度見てしまうと他の物が買えなくなるくらい美しい。
手に取り眺めると心が躍る。
一昨年か、その前の年に村上市の人形祭りに出かけた折に、この町に少し立ち寄った。
その時から気になっていたのは鋼の包丁だ。
タダフサと言うお店を訪ねた。
ずらりと並ぶ包丁にたじろいだ。
ギャラリーのようにきれいに並べられている。
そして、その時に見た仰天価格に後ずさりして帰った記憶がある。
同じ町の玉川堂で銅の急須を買ったので、包丁まで手が伸ばせなかったというのが正直な話。

気を取り直して今回2度目の訪問をした。
前回と違って、街中も工房もひと気がなく、閑散としていた。
包丁も気のせいか随分お安く感じた。
ご主人らしい人が、入り口あたりに手持無沙汰のように立っていたので、声をかけて中に入れて頂いた。
お勧めの包丁を手に取ると、その軽さに驚いた。
今までは私が30数年前に西ドイツで買ってきた、ヘンケルの牛刀一辺倒だった。
そのヘンケルの半分くらいの重さに感じた。
ヘンケルはステンレスなので、私でも磨けて常に鋭い切れ味で満足していたけれど、流石に痩せてしまった。
次に買う包丁は鋼と決めていたので、辛抱強く出逢いを待っていた。
鋼の包丁は、鉄製品と同じくらい手をかけ、愛情をかけないと直ぐに拗ねるらしい。
微に入り細に入り、丁寧なレクチャーをして頂いた。
いよいよ清水の舞台から飛び降りようとした時に「ちょっとお待ちを」と声が掛かった。
「実はこれにはB級品があります」と出して下さった。
何処でB級と判断されるのか示して頂くと、研ぎの線が1ミリ以下の違う箇所があるようだ。
私にはいまだに分からないけれど。
お陰様で20%off、清水の舞台は飛び降りやすくなった。
家で使い始めると、持ち手の木の手触りが良く、トマトがスパッと切れる心地よさ。
お気に入りのヘンケルは相当腕に負担があったと実感した。
毎日切るのが楽しくてしようがない。
冷蔵庫の野菜はみんなスパスパ切られて庫内の滞在時間が短くなった。

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