料理本をめくった日の台所

書店の前を通りかかると、前列に並べられた料理雑誌がふと気になる。
季節の野菜や丁寧に盛り付けられた一皿は、ただ眺めるだけでも心を満たす美しさがある。
誌面に並ぶ料理写真には、どうしても抗えない。
日々の出来事や風景、花などをブログに残している身としては、その見せ方に思わず目を留めてしまう。光の当たり方、器の選び方、さりげない余白。料理であっても写真であることに変わりはなく、その一枚に込められた工夫や感性に素直に感心してしまう。ページをめくりながら、「上手だなあ」と思う。
料理は嫌いではないが、没頭するほど好きというわけでもない。
けれど日々の台所に立つのは自分だ。どうせ作るなら、少しでも美味しく、そんな動機で台所に立つ。
積み上げた「暮らしの手帖」をめくり、今日は“料理の種”を仕込んだ。
鶏ミンチの甘辛そぼろ、豚ミンチの洋風そぼろ、そして合いびきミンチの塩そぼろ。ラーメンにのせても、野菜に絡めてもいい。忙しい日の自分を助けるための、小さな貯えだ。

料理本に刺激されると、手は止まらない。
気がつけば三種類。少し作りすぎたかもしれないと思いながら、タッパーを冷凍庫に並べる。
本を閉じると、またいつもの台所がある。
けれど少しだけ気持ちが変わり、次はどんな一皿を、どんな一枚を残そうかと考えている。
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