旅に出たなら何食べる―金沢寿司編

天下に轟く寿司の名店が居並ぶ金沢。
寿司ほど高いものはない。
時価等と書かれていれば、身がすくむ。
思い出すのは、清水の末広鮨、初めての鮨屋で緊張した。
価格表示のないお寿司を、恐る恐ると食べる内に余りの美味しさにお酒も飲まないのに気が大きくなり、カード可と知ってからは「どうにでもしてくれ」と太っ腹で食べた。
美味しい寿司屋のカウンターに辿りついた時は至福の時。
鮨は高くて仕方がないと割り切ってきた。
けれど、金沢の大国鮨を知ってからは安くて美味しくなくてはならないと宗旨替えをしている。
そして、今回は大国鮨と同じくらいの価格設定の宝生寿司に行った。
大国鮨は狭いので大人数では入りにくい、それに比べると宝生寿司は吹き抜けの大天井を持つ大店でその名前は広く知られている。
ここが美味しければ、市内から外れた金沢港近くといえども厭うはずはない。
期待に胸を弾ませて行きつくと、駐車場には他府県ナンバーの車がズラリと並ぶ。
おおーー期待できる。


HPより
建物は古い廻船問屋を改装したものとかでグッドデザイン賞受賞とのこと。
宝生寿司のある大野町は日本の醤油の五大生産地との事町並みの雰囲気もかなり良かった。

けれど、悪いのはお寿司。
帰ってから口コミを見ても褒めてばかりいるけれど、到底褒められるもんじゃなかった。
まず、店内に案内された席で、女中さんと板前さんが揉め始めた。
板前は自分の前ではなく端っこのほうに座らせろと指示をしているが、店主にはその席を指示されているのだと女中さんは言う。
そういう場合は板前さんが強い。
仕方なく隅の席に案内された。
その席は一番年長に見える板前さんが仕切っていた。
昼時のお任せをお願いした。
13貫の握りと突き出し、汁ものの組み合わせだった。
寿司板の端にガリを載せて、6貫が供された。
一目で不味いと分かる並べ方。
大きな酢飯に小さな魚がへばりつくように載せられている。
回転寿司より不味かろうと箸を取ると予想はピタリ。
まず酢飯が不味い。
鮨は魚の新鮮さもさることながら酢飯は重要なのだ。
その内板前が3貫を右手でわしづかみにしてカウンター越しに手を伸ばした。
食事中のお客は寿司板を持ち上げて板前の手の届くところまで差し出さなければならない。
大国鮨を裏切った後悔が胸にこみ上げるようだった。

下仕事がきっちりされている江戸前鮨が好みの私には最悪の寿司屋に出会ってしまった。
無愛想な板前、うすく切られた魚
安く提供しているのだから、こんなもんだと言われているようで情けない。
どうしてこの店が評判がいいのか分からないまま店を後にした。

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