越中八尾の風の盆

風の盆、フッと聞いたうわさに惹かれて八尾にはじめて行ったのは20年前になる。
今回で4回目の八尾行きになった。
1才でも若いうちに行かなければ、ここは体力勝負の風の盆。

秋の長雨が降り続き、今年は無理かと思いつつも諦めきれずに出かけた。
兄夫婦が九州から「風の盆」の為に出かけてきたので、日中は金沢を案内方々同行した。
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夕方に金沢を発って、1時間ほどで八尾にほど近い神通川の傍にある割烹旅館へ投宿。
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食事を済ませて一休み、pm10:00にタクシーを呼んで出かけようと、ベテラン気取りで予定を立てた。
ipadで天気予報のチェックばかりで落ち着かないが、どうやら夜遅くの方が雨はひどくなりそうだった。
10時等と悠長なことを言っている場合では無さそう、急遽pm8:00に出発した。
宿を出ようとすると、雨音が激しくなった。
宿のおかみさんが「八尾は晴れていると言う事もありますから」と、励まして、送り出してくれた。
雨は八尾に近付くとワイパーが要らなくなった。
喜ぶと又ざーっと降って来る。
タクシーも町中には入れずに外れで降りた。
既に帰り支度の人波が続く。
雨が一粒落ちても踊れないと言われているけれど、上がれば町流しはあるだろう。
2日目も雨だったし、3日は最終日だから、朝まででも待つ覚悟は出来ている。
町内毎に踊りは違う、日本の坂道100選に選ばれた諏訪町は特に人気がある。
西新町を抜けて諏訪町に向かった。
お囃子の音色が聞こえる。
大勢の人だかりがある。
そこは一般の家で座敷に踊り手を招いて、自宅のお客様に披露しているようだった。
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出を待つ、踊り手の男性。
踊り手は20代までと決められているので、踊ってなくても美しい。
pm10:00を回る頃、諏訪町の公民館の前にロープが張られた。
町流しが出来ない代わりに、入れるだけの人を順番に公民館に入れて、そこで一節踊ると言う。
押し掛ける人波を仕切る話術は、DJポリスなみ。
みんな笑いながら大人しく列を作った。
私の一列前で満員になったけれど、最終列より最前列の方が良いに決まっている。
前列は浪速の女性グループ、当たり前のようにバッグから飴ちゃんが出てきて、私にもふるまわれた。
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この方から「町流しが出来ないのは残念です。本意ではありませんがここで観て頂きます」と丁寧な挨拶があった。
この方は、唄手後ろは地方。
第一声を聞くと鳥肌が立ついい声だった。
この声で夜流しを聞かせてくれたら・・
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哀調を帯びた胡弓の音色におわら節。
狭い場所なので、町流しの迫力はないけれど雰囲気には浸れた。
雨は激しく降ったり、ピタリとやんだり。
いっそ、大雨になれば諦めがつくものをと後ろ髪を引かれる。
上新町に差し掛かると、そこは、庇のある自治会館で庇の下と2階で踊っている所に出会った。
「風の盆」を大切に守り、そして、おもてなしの心が実践されていると感じた。
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八尾は人口5000人、観光客は20万人とも言われるが、町中の統制は素晴らしい。
車の侵入禁止の徹底、道案内の徹底、ゴミ集めの徹底。
この人出にちりひとつない。
今年は、雨の為に人出は極端に少なく歩き良かった。
最後になると思って出かけたけれど、再び心に火をつけてしまった。
来年こそは、夜流しを・・。

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