柿豊年、山紅葉す

今年の柿は大豊作である。どこの柿の木も、枝がしなうほどにたわわな実をつけている。
市田柿は十一月に入っても出荷の気配がなく、ひょっとして不作だったのかと案じたが、そうではなかった。どうやら今年は暑すぎて、干し柿づくりに適した気候にならず、収穫時期を少し遅らせていたらしい。
例年であればこの時期、柿の木にはもう一つの実さえ残っていない。しかし今年はまだまだ木々は橙色の実を揺らしていた。

毎年渋柿を分けてくださる農家さんを訪ねると、やはりまだ全部の収穫が終わっていなかった。午後から採った柿の中には熟しすぎたものも混じっているそうで、「渡した分は大丈夫だろうか」と心配してくださった。
渋柿の価格はこの数年でずいぶんと上がった。世間の物価高の波を受け、今年はどうなることかと気を揉んでいたが、幸いにも昨年並みで落ち着いた。
道の駅にも市田柿が並んでおり、農家さんから分けていただく価格の半額ほどで売られている。当初は「なぜだろう」と首をかしげたものだが、見比べて納得した。大きさがまるで違うのだ。簡単に言えば親子ほどの差である。手のひらにずっしりと重みを感じる立派な柿を眺めて、「なるほど」と、うなずいた。

豊作のおかげで、道の駅の棚には「市田柿」「平種柿」「蜂屋柿」と三種が並んでいた。
蜂屋柿を見るのは初めてである。釣り鐘のように大ぶりな姿で、上手く干せば蜂蜜のように甘くなるという。そうなれば、干し柿づくりへの熱もますます高まるに違いない。

そして時は、紅葉の季節である。
山は裾野まで赤く染まり、まさに全山紅葉。杉やヒノキが少ないせいか、山肌がどこまでも燃えるように美しい。
渋柿を求めて出かけた山里で、柿と紅葉の秋を心ゆくまで味わったのである。
写真では山肌の紅葉を写せてなかった。残念。
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