能登半島の旅-パン・月とピエロ
久しぶりに能登へ行こうと思ったのには幾つかの気になる場所が能登に集まったからだ。
最近盛んに言われる「腸活」
能登町にある「フラット」は発酵食品で脚光を浴びている民宿で気になり始めるとあちこちのメディアに登場している。
予約は無理だろうと思いながら電話をすると、意外にすんなりと予約が出来た。
予約が出来た事で本格的にスケジュールを作った。
能登に行くなら中能登の「月とピエロ」と言うパン屋が一番はじめの目的地になった。
家庭画報の特集記事の写真は、私の好きなハードパンがあると目に焼き付いたものだ。
以来、いつかはと思い続けた。
距離を測ると269kmで半分は一般道を走る。
「月とピエロ」のオープンは午前10時となっている。オープン前の9時に到着しようと思えば午前5事半に家を出なければならない。
睡眠不足の運転をする年齢ではないので午前7時発で午前10時半着を目標にした。
そして、予定道理10時半に「月とピエロ」に到着、4組の方が並んでいた。
10分並んでも何の変化もなく、みんな黙ってひたすら並んでいる。
初めて来たので何も分からなかったけれど、あのハードパンの為ならと我慢が出来る。
その後3人の女性がパンが溢れた紙袋を下げて出て来た。
溢れんばかりのパンの包みを横目に私の妄想は膨らむばかり。
一組が出ると一組が入るようで一組づつしか入れないようだ。
一組が10分かかればまだ30分待つことになる。既に40分が経過している。
今日のスケジュールから行くとパンに1時間以上かかれば後の計画に支障が出るというもの。
二組目の方が出てからはスピードアップして並び始めて1時間後に入店出来た。
入店した時、私はわが目を疑った。
「パン屋」に「パン」が無い。
全部で4個のパンがゴロリとあるだけで人の気配もない。
パンの匂いもしない。
パンの匂いについては並んでいる時から不思議に思っていた。
パンの匂いが無かったのだ。
急なスピードアップも理解した。
迷う事もないほどにパンが無いのだ。
暫くするとドアが開いて、オーナーらしい女性が現れた。
パンを持って現れた訳でもなく、挨拶するでもなく現れた。
全粒粉の大きなパンは半分からの切り売りだと説明があった。
そのパンを買わなければ残りはバケット1つとセーグル1つクグロフ1個しかないのだ。
「私がこれを頂くと私の後に並んだ方はパンが無いという状態になりませんか」と言うと「向こうにある分を出します」と返事をされた。
と、言うことは私は選ぶことも出来ず残りのパンをさらえて帰ることになる。
「じゃあ、今出して貰えませんか」と言える雰囲気はない。
一番大きなパンは全粒粉と言う以外何も分からない多分パン・コンプレだろう。
1本をそのまま頂いた。最後の1本となるバゲットとセーグルも頂いた。
これで支払いは6000円を超えている。
価格の表示が分かりにくい、パンの名前も小さな横文字、判読できなかった。
帰ってからググっていると大きなパンはグラム2円と書いていた。凡そ1.6kgのパンと言う事になる。
パンは多くのパンから選ぶ喜びが半分以上ある。
一人で焼いているのだから大量に買う人がいればすぐになくなるのは当たり前。
駐車場は県外ナンバー、石川ナンバーがあると思えばレンタカーだった。
近所の人が毎朝のパンを買う訳ではなく、名声を聞いて全国から来るお客が相手のお店のようだ。
中々来られない場所にあれば大量に買いたくなるのも分かる。
けれど、長くやっていればどのくらいでパンが無くなるか分かっているだろうに、対策がない。
暑い日、雨の日、雪の日、強風の日
お客の方は、中の様子は全く分からない。
ドア2枚開けないとパン売り場には到着しないのだ。
だから期待してひたすら立ちんぼをしている。
それに対して「お待たせしました」も「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」潤滑油の言葉もない。
パンを買うのにこれほど疲れたことは無い。
カットを頼んだら「切らなければ3日は食べられる」と切りたくないアピールがある。「1.6kgものパンを3日で食べきるはずもなく、すぐに冷凍するのでカットは必要」と押し問答。
車に戻って直ぐに食べてみた。
表面はカリカリに焦げているのに中心に生の感じか残る。
薪窯の難しい所だろう。
10時のオープンの前に並ばなければ他のパンの事は分からないけれど、その気力はもうない。
もう行くことは無いと思う。
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