梱包の向こうにいる人

最近、本はメルカリで買うと決めている。
新刊もすぐに出品されるし、書店で買うよりほんの少し安いのも嬉しい理由のひとつだ。
先日、本箱を整理していたら、平松洋子さんの本が何冊か出てきた。
そういえば、彼女の随筆は軽やかで、読んでいてとても楽しかったなと思い出す。
それなら、とメルカリを覗いてみた。
すると、知らない本がいくつも並んでいて、思わず見入ってしまった。
数冊まとめて出されていても、文庫本なら1000円ほど。
結局、二人の方から数冊ずつ購入した。
その本が届いたのは、雨の日だった。
郵便局からの発送なので、少し時間はかかる。けれど、その待つ時間も悪くない。
届いた封筒を開けて、少し驚いた。
一冊ずつ丁寧に包装され、台紙が添えられ、クッション材の入った封筒に収められている。
その手間を思うと、送料や手数料を差し引けば、手元に残るのは文庫本一冊分にも満たないかもしれない。
それでも、この梱包を見て、直感した。
この方は、本が好きな人だ、と。
大切に読んできた本だからこそ、次の人にも大切に渡したい。
読んでくれる誰かがいることが、ただ嬉しい。
そんな気持ちが、包み方ひとつに表れているように思えた。
私はコメント欄に、
「完璧な梱包が嬉しかったです。大切に読みます」
と書いた。
本は時間とともに日焼けしていく。
けれど、読むことに支障はないし、それもまた一冊の本の歩んできた時間のように感じる。
同じ著者の本を読むと、どこかでつながる感覚がある。
それもまた、中古の本を手に取る楽しみのひとつだろう。
新刊が売れにくくなるのは少し申し訳ない気もするけれど、
それでもメルカリで本を探す時間は、やはりやめられそうにない。
思いがけない出会いと、誰かの気持ちがそっと添えられているからだ。
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