少し早足の、春

三寒四温を繰り返しながら、今年の春は例年よりも少し早い足取りで進んでいるように感じる。
春の花は「黄色」と言われるが、その言葉どおり、蝋梅に始まり、いまはサンシュユが満開である。
今日は皇子山公園のハツミヨザクラも咲き始め、道端の紅梅や白梅もやさしく花を開いている。歩きながらふと足を止め、しばらく眺めてしまうような、そんな春の景色である。

ハツミヨザクラ(初御代桜)という名前は、「新しい御代」を祝う意味から付けられた桜だという。花びらがやや多く、どこかふんわりとやさしい咲き方をするのも、この桜の特徴である。
昨年のハツミヨザクラは、たしか三月のお彼岸の頃に五分咲きだったと記憶している。それを思うと、今年の花の歩みはやはり少し早い。自然の営みとはいえ、年ごとに違う表情を見せてくれるものだと改めて感じる。
この調子で季節が進めば、今年の夏はどんな暑さになるのだろうか。そんな思いがふと頭をよぎり、花を楽しむ気持ちの中に、ほんの少しだけ不安も混じる。
我が家の庭では、クリスマスローズが満開になり、挿し芽にしたクレマチスも小さな芽をのぞかせてきた。
庭の片隅で、今年も確かに春が育っている。

花の咲き方は少し違っても、季節はちゃんと巡ってくるのだと、庭を眺めながらそんなことを思う。
少し早足の、春である。
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