旅立ちの季節
3月は出会いと別れ旅立ちの季節である。
子供が親元を離れる時でもある。
年の離れた友達に「娘の事で悩んでいる」と相談されたのは随分前の事ですっかり忘れていた。
高校受験の頃だったか、娘さんの体調がすぐれず、何処を受診しても原因不明、学校でいじめられてる等々方向違いのアドバイスを受けて、打つ手なしと沈んでいる時だった。
その彼女が昨日「娘が東京で進学することになった」と話してくれた。
東京に進学するとなると親の負担は生半可ではない。
何処に住むの?と、聞くと「世田谷区」おおおーー恐ろしい。
と、言ったのは私の方。
「それがねー。世田谷区から住宅補助金が出て自分で払うのは3000円だけなん」と聞いてまた驚いた。
詳しい仕組みまでは聞かなかったけれど、その制度を探して申し込み、住むことを決めたのは件の娘さん自身であると言う事に、言いようのない嬉しさがあった。
悩んでいた頃は、成長期だったのかと顔を見合わせて笑った。
「自分は何に向いているのか」と自分探しをしていたらしい。
その後、体つくりに目覚めて栄養や体育に興味を抱いたのが今年の進学に結びついた。
彼女はひとりっ子の娘さんに旅立たれるのは寂しくてたまらないようだけれど、「病院を回りながら悩んでいた頃を思うと今は信じられないくらいに幸せだから喜んで見送るわ。」と、嬉しそうだった。
しっかり悩んだ娘さんは、しっかり親離れをして、家に居る時間もなく外を飛び回っているらしい。
センチになるのは親ばかリ。
悩んでいた頃に、何のお役にも立たなかったけれど、聞くだけおばさんの私にも幸せのお裾分けが来た。
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