盆休みの静かな朝と散歩道の出会い
京都五山の送り火が終わり、夏の一大行事がひと段落したと思っていたが、未だに周辺道路は大渋滞している。早く日常生活に戻りたいと思う一方、世間はまだ盆休みの真っ只中で、どこか休日ムードが漂っている。ここ数日は、散歩中に通勤する人々とすれ違うこともなく、町内は静かで、ラジオ体操の音も聞こえない。しかし、我が家の愛犬きなこの散歩は、雨が降らない限り、盆も正月も関係なく続いていて、たまには雨よ降れと待っているがもう、ひと月は降ってないのではないか。お休みが欲しい所である。
散歩道の途中にある川沿いの花壇には、春先からずっと綺麗な花が咲き続けている。季節ごとに異なる花が咲き、心を和ませてくれる。これはきっと、誰かが丹精込めて手入れをされているのだろうと想像しながら歩いていたところ、今日、その花に水撒きをしている人に出会った。
「いつもありがとうございます」と声をかけると、相手も笑顔で応えてくれた。お互い「あっ」と声を上げるほど、実はよく知っている方であった。
「水はどこから?」と思わず尋ねるた。この場所には水源らしきものは全くないのだ。それがいつも気になっていた。すると、「近くの公園からのもらい水よ」との答えが返ってきた。道路を横切って長いホースが引き込まれているのを見て、ホースの片付けだけでも私は疲れてしまいそうだ。「ありがとう、いつも綺麗なお花を楽しませてもらっています」と伝えた。
思いがけない人のおかげで、季節の花が咲いているのだと知り、心が温かくなった。
同じ町内の人々とは、朝の散歩の時は出来るだけ挨拶を交わすように心がけているが、無視する人、笑顔を返してくれる人、そして、いつの間にか親しくなる人もいる。
きなこがいなければ出会うこともなかったかもしれない人々と、こうして朝のひと時を共有できることを楽しんでいる。
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