思い出し笑い-京のブブ漬け

私が京都に暮した半世紀前には「京のブブ漬け」は昔の話と笑い飛ばされていた。
昨日その事を、京都に向かう比叡山の山越道路を運転しながら突然思い出した。

その頃20代だった私は「京のブブ漬け」の意味さえ知らなかった。
ある日、お出かけするご近所さんに
「あら、どちらへ?」と声をかけた。
「チョット」
「チョットって何処?」
今思えばこういう聞き方は失礼極まりなかった。
笑い話になるけれど「チョット」と言う返事が返って来るとは思っても無かったのだ。
せいぜい「お買い物」とか「病院」くらいの返事が来るものと思っていた。
私に聞かれたら「大丸デパート」とか「大津病院」とかもう少し具体的な返事になっている。
家人は京都生まれの京男
付き合っている頃、家人に言われた。
「あんたの言葉は曖昧さが無いね。」意味が分からずに聞き直すと。
私は「何か飲みたい」と言った事が無いそうだ。
「コーラーが飲みたい」「コーヒーが飲みたい」と固有名詞が出て来るのに驚いたと言われて私は驚いた。

持って周る言い方、決定づけない発言。
言葉に責任を持たないような気がするからだ。
でも、相手に選択の自由を与えるという側面もある。それは、相手次第かな。
次に驚いたのは
「主人に怒られますわ」
これも一時保留か、お断りの発言と気が付くまでに時間がかかった。

言葉にも風土がある。
半世紀前には、どっこい「京のブブ漬け」は生きていた。

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