膝のアクシデントと、思いがけない時間

湖国の桜がほころび始めた。いつもの散歩道を訪れると、桜は二分咲き。しかし、日吉大社近くの「太閤桜」はすでに満開だった。その鮮やかな花びらが風に揺れる様子を見ながら、今年は遠出が叶わないことを少し寂しく思った。

膝のアクシデントで、思うように動けない日々が続いている。それでも、思いがけずたっぷりの時間が目の前に生まれた。忙しない毎日を過ごしていた頃には、こんなにもゆっくりと時間を感じることはなかったかもしれない。

家事のほとんどは姪が担ってくれている。毎日美味しい食事を作ってくれ、味付けも私のものとは違いながら、家族には新鮮で好評のようだ。私が家事から離れても何の不満もない様子で、それが少し不思議な気もする。日々の忙しさの中で「自分がやらねば」と思い込んでいたことが、案外そうでもないと気付かされるのは興味深い。

さて、この膨大な時間をどう使おうかと、嬉しい気持ちとともにそわそわしている。とはいえ、足が思うように動かないため、行動には制限がある。座ったままでできることを考えると、引き出しに溜まった書類の整理や、積んでいた本の読書、録画したドラマの視聴などが思い浮かぶ。

また、先日のブログを読んだ友人たちから、優しいメールが届いた。「無理しないでね」「たまにはのんびり過ごすのもいいものよ」――そんな言葉の一つ一つが心に染みる。改めて人とのつながりの温かさを感じられるのは嬉しい。

時間の流れが、これまでとはまったく変わった。たっぷりと眠り、心に余裕が生まれると、不思議と人間らしい感情が戻ってくる。「怪我の功名」とはこのことかもしれない。焦る必要もなく、ただ今この瞬間を大切にすること。そんな当たり前のことが、改めて心に沁みる。

膝が治ったら、時間の使い方を工夫し、「余裕」を手に入れよう。日々に追われるのではなく、時間の流れを味方につけるような暮らし方を目指してみたい。そんなことを思いながら、いまはゆったりと時間の流れに身を任せている。

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