通院の風景に溶け込んだ、昭和の香り

豊中市のクリニックに通い始めて、早くも二か月が経過した。自宅からの距離はおよそ60km。決して近いとは言えず、1時間では到着しない。
何度か通ううちに、道すがら気になる商店の存在に気がついた。朝早い時間から行列ができており、どうやら青果店のようである。いつか寄ってみたいと思いながらも、診察が終わるとつい一目散に帰宅してしまい、立ち寄ることさえ忘れていた。
ところが昨日は、家人が「行きたかったのでは?」と声をかけてくれたことで、ようやくその店を思い出した。「そうそう」と頷きながら、クリニックの目の前にある商店街へと足を運んだ。

目的の青果店は、やはり混雑していた。なるほど、理由がわかった。店舗の広さは非常に限られており、一度に入れる人数も少ない。それでも店内にはレジが二台設置されており、効率的に客を捌いている。商品は次々と売れていき、棚が空になるとすぐに新しい品が補充される仕組みになっている。買い物客は、店舗を出てから袋詰めをするスタイルだ。
印象的だったのは、若い男女のスタッフたちが黒いユニフォームを身にまとい、実にきびきびと動いていたことだ。特に、みずみずしくて美味しそうな桃の販売では、店員が「お取りします。桃は赤ちゃんの頭と同じで柔らかいですから」と丁寧に応対してくれた。その一言にも、商品への自信と丁寧さが感じられた。

行列の理由は店の狭さだけではなかった。価格がとにかく安いのだ。滋賀のスーパーと比べても、およそ三割ほど安く感じられた。買い物袋も持たずに立ち寄ったものの、思わずいくつかの商品を手に取ってしまい、五円のレジ袋さえ高く感じるほどのお得な買い物ができた。

これからは、ここで買い物をするという楽しみがひとつ増えた。豊中までの道のりも、少し短く感じられるようになるだろう。どこへ行くにも、楽しみを見つけなければ長続きしない。まだ商店街の奥までは入っていないが、そこにはどこか昭和の香りが漂っていた。

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