京都・大原の朝市で赤紫蘇を求めて

日曜日の早朝、まだ5時過ぎだというのに車を走らせて大原へ向かった。京都・大原の「朝市」は、旅行ガイドにも掲載されるほどの人気ぶりであるにもかかわらず、これまで一度も訪れたことがなかった。
紫蘇ジュースを作るなら、大原で採れる「柴漬け」で有名な赤紫蘇が最適だと、多くの人に助言されていた。その言葉をようやく実行に移す良い機会となった。自宅から三千院を経由すれば、大原までは車で40分とかからない。6時に到着するのは、さほど難しいことではなかった。

ところが、「早く着きすぎるかもしれない」と思ったのは、完全な見当違いであった。駐車場はすでに満車に近く、すでに買い物を終えて帰り支度をしている人の姿もちらほら見受けられた。
意外にも朝市はややこぢんまりとしていた。期待していた赤紫蘇はどこにも見当たらない。そんな中、まだ何も並んでいない一軒の店に、すでに行列ができていた。とりあえず列の先頭に声をかけてみた。

「ここは並んでいるのでしょうか?」
すると、とても元気な女性が即座に答えてくれた。
「ここはね、漬物やらおにぎりやら、巻きずしが来るんよ」

だが、その女性の肩にかかったバッグの中身に、私は目を奪われた。袋の中に赤紫蘇らしきものが見えたのだ。
「あの、赤紫蘇を探しているのですが、どこにも見当たらなくて、その赤紫蘇はどちらで?」
「あー、そこそこ。あの手芸品のところよ」
言われた方向には手芸品の店が見えるが、赤紫蘇らしき姿は確認できなかった。近づいてみると、その理由がわかった。綺麗に軸から葉が外され、小さな袋に収められていたため、一見すると手芸品の布のように見えたのだ。

残っていたのは7袋。1袋200グラムで500円。「全部ください」と言うと、売り手は「さっき11袋買ってくれた人がいるので、これで完売よ」と満面の笑み。後から来た客が落胆していたが、その11袋を買ったのは、先ほど親切に教えてくれた女性であった。
ちなみに、軸付きの束を売っている店もあった。家人は「500円は安くない」と言ったが、軸を外し、洗浄まで済ませてある手間を考えれば、狭い台所を持つ我が家にはむしろありがたい仕様である。
赤紫蘇を手に入れてから、ようやく他の店々を巡る余裕ができた。同行した姪はすでに茄子や胡瓜を買っていたが、そこに真っ赤なミニトマト、白茄子、ふっくらと丸い茄子を追加購入した。

どこからともなく芳ばしい香りが漂ってきた。空腹の身体には、たまらなく魅力的な匂いである。焼きとうもろこしのおにぎりであった。


先ほど並んだ店では、すでにぬか漬け、柴漬け、おはぎ、巻きずし、おにぎりを購入済みであったが、やはりその香りには勝てず、とうもろこしのおにぎりも買ってしまった。熱々のおにぎりを、大原の里のどこか静かな場所でいただく――これ以上の朝食はあるまい。

気温は25度。清々しい空気の中で、贅沢な朝のひとときを堪能し、帰宅してもまだ午前7時半であった。

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