抜けない指輪

ドーハーの空港で10ドルで購入したシルバーにオニキスをあしらった指輪がコロンと出たきた。
左手にはめると、今までお気に入りだった指輪の邪魔になるので右手にはめた。
かなり窮屈な感じでだったけれど、諦めるとたとえ10ドルといえども無駄になる。
えいっと思い切って入れると何とか収まってくれた。
ところが入ったから出るとは限らなかった。
指のしわの方向が逆になると、どう頑張っても抜けない。
血が通わなく紫になっても抜けない。
石鹸をつけたりクリームを塗ったり朝に試したり、ひと月あまり悶々と過ごした。
聞くところによると、なぜか消防署に行って切ってもらうしかないとか。
1週間ほど前の朝、癖のようにしていた指輪抜きを試みているといつもより感触が良い。
もしかしたらと、息をとめて試みるとややや・・抜けました。
一生付き合うのなら違う指輪にしたかったと、嘆いていただけに嬉しかった。
よせば良いのに調子に乗って次の指輪を試してみた。
スルスルと苦もなく入り、スルリと抜ける。
これはいいやとまたはめてみた。
すると指輪は次の朝もその次も、旅行中私の指を締め付けて決して抜けることはなかった。
むくんでしまったのか少々太ってしまったのか。
多分後者だと思う。
企画展で1キロ痩せて次の週で2キロ太れば企画展ごとに1キロ太ることになる。
事もあろうに、太る直前に指輪を抜き次の指輪をしたことになる。
こちらも一生していたい指輪ではない。
旅を終えてくつろぐと指輪はスルリと抜けてくれた。
どうも、私の指輪は主に似て旅好きなのかもしれない。

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