柿熟るるころ

柿が色づきはじめると、衣更えの季節になる。
まさか、十月のうちにスーパーで羽毛コートを着ている人を見かけるとは思わなかった。
この季節、半そでの人、セーターの人、さまざまの人が入り混じるけれど、今日のところはセーター派が勝っていた。
秋らしいしとしと雨が降り、寒々しく感じるせいだろうか。

昨日から少しずつ冬物を出してはいるが、どうにも気が進まない。
今年の春から体重が増えたような気がしていたが、それは足の不調による浮腫みのせい。そう思っていた。
しかし、この頃は、どうもそれだけではないかもしれないと思うようになった。

姪が毎日料理を作ってくれるのだが、いつもデザートが添えられていた。
お腹にやさしいようにとゼリーに限られていたが、習慣とは恐ろしいものである。
今ではゼリーに限らず、食後に必ず何か甘いものを添えないと落ち着かなくなった。
服を出しても、きっと窮屈だろうと思うと、試着する気にもなれない。

カレンダーはどんどん薄くなり、もうすぐ十月も終わる。
残りは二か月。
これからは干し柿作りに忙しくなる。林檎の種類も豊富になって実りの秋を謳歌する季節が始まる。

毎年繰り返されるはずのこの時季が、なぜか今年は少し違って見える。
身体の変化も、暮らしの小さな癖も、季節の移ろいの一部なのだと。
そう思えば、窮屈になった服も、甘いものも、悪くはない。
寒さに備えて少し丸くなるのも、自然のことだろう。

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