信長公記 ‐ 太田 牛一|信長の棺 ‐ 加藤 廣

三条大橋

この本は本格歴史ミステリーと帯に書かれているが、著者の参考文献を見るとこの本に書かれている事は事実なのではないかと錯覚してしまう。
織田信長は本能寺で明智光秀の謀反にあい炎上する炎の中で死んでいったという事は史実である。と思う。
信長の遺骸はどのように改めれれたのかまでは思いも及ばなかった。
太田牛一(wikipedia)著「信長公記」が下敷きとなり牛一が語る形で物語ははじまる。
本能寺の変後、秀吉にも重用されたが、牛一の信長公への思慕がこの物語を思い掛けない結末へと導入していく。
「信長公記」の記述を変更し秀吉の働きを中心に書き換えるように命じられた後の苦悩の日々で牛一の心はどんどん秀吉を拒絶していく。
それが信長公の遺骸を捜す情念に変わっていく様が、地鳴りのように響く作品である。

私の読書時間は入浴タイムを利用して一日2~30分くらいしかない。
この本の終盤は入浴するのか読書をするのか分からないくらい信長公の遺骸捜しに引き込まれた。最終章を読み終える時はホッとするより寂しさでぽかりとしてしまった。

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コメント

    • sakiyo
    • 2006年 3月 02日

    skogさん、お久しぶりです。コメントというより私信に近いので、読めなかったログを拝見しながら後ろの方に書いています。
    いつも励ましのお言葉いろいろ頂き、ありがとうございます。でも残念ながらせっかく就いた希望業界の仕事、やめてしまいました。というか、職場環境の変化で持病が発症し、物理的に行かれなくなってしまったのです。思わぬところで足をすくわれてしまった格好ですが、仕様がないのでしばらくじっとしていることにします。
    まだブログを書けるまで心身ともに回復してはいないのですが、skogさんのブログ、以前のペースで拝見させていただきますね。
    かしこ

    • skog
    • 2006年 3月 02日

    sakiyoさん 
    心配していましたよ~。
    希望業界だっただけに気持ちが残るのでしょう。
    身体は正直だから、今は休ませる時なのですよ。
    本と映画を楽しんで下さい。
    そして、しなやかに言葉を選んで、スピードでぐんぐん引き込むブログを再開して下さい。
    大変な文才を埋もれさせないで下さいね。
    ゆっくり、待っています。

    • skog
    • 2006年 7月 14日

    ハードボイルドで行こうさん TBをありがとうございました。
    久しぶりに「信長の棺」に触れて頂きました。
    著者は信長よりも秀吉に興味をもっているようですね。
    最近「秀吉の枷」上下を読了しました。
    信長の棺の続編のような感じでしたが、タイトルが秀吉ですのでたっぷりと秀吉の人物像が書かれています。
    側近の目を通して語られる若い日の秀吉と権力者になってからの秀吉の変わりように振り回されている姿が、今に通じる人間ドラマをみているようでした。
    現在のNHK大河ドラマ「功名が辻」とも重なり、この時代に興味が湧いて来ました。

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