火花 ‐ 文藝春秋|久々の書店

図書館で本を借りるようになって、書店には行かないように努力してきた。
けれど話題の本を予約しても何時読めるのか見当がつかないほどの待ち時間がかかる。
「鹿の王」を予約したのは4月の初め、今日現在予約237人中の60番である。
一人が3週間借りられるから、私の番になるのは来年中なら早い方だ。
どうしても「火花」が読みたくなって久しぶりに書店を覗いた。
懐かしい匂いがした。
図書館とは全く違う雰囲気だ。
明るい照明の下、読みたい本が沢山並んでいた。
瞬く間に数冊小脇にかかえ込んだ。
その内に、今まで図書館に通っていたのはなぜだろうかと考え始めた。
今、小脇にかかえた本を図書館で借りれば数千円の節約になるはずなのだ。
けれど読めるのは1年以上先になる。
その頃には次に読みたい本が溜まってしまう。
我慢していた欲求不満の感情が怒りに近くなった。
読みたい時に読む。
読書にもタイミングがある。
けれど一度節約しようと決心したものを、むざむざと崩すのも無念な気持ちが心の隅に残る。
小脇にかかえた本を、ひとまず元に戻してタイトルをメモした。
暫く絶えていた中古本サイトにタイトルを入れて検索した。
どうやら半額程度で「状態良し」と言う本が買える。
しかも明日届くのだ。
ポチンと押すとホッとした。
火花は文芸春秋で読む事にした。これなら受賞作二作全文と選評が読める。
マニアではないので、読めればよい。
書架を見回すと、矢鱈と「片付け」関係が目立つ。
親の家をどうするか。つまり今私が住んでいる家の事である。
ピンとはこなかったけれど、心配される年になった事を自覚した。
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