不撓不屈 ‐ 高杉 良|(出演) 滝田 栄、 松坂 慶子(監督)森川 時久

「不撓不屈」は読み応えが合った。
税理士、公認会計士飯塚毅が国家権力と戦った6年半の実話である。
飯塚毅は、税務当局を相手に訴訟を起し、このことで面子を潰された当局は、飯塚に対して国家権力を使って圧力をかける。
飯塚は、たとえ国が相手であってもしていない脱税をしましたとは認められない。
国税当局と飯塚税理士との間に税務上経費となるべき「別段賞与」会社役員および社員の旅費日当、役員報酬の報酬の性質に関し、見解の相違がある事に端を発している。
別段賞与は経費として認められており、その実例は枚挙にいとまがないほどである。
それでも国家として立ちふさがる権力はすさまじく飯塚の取引先に拷問的な査察を繰り返し音を上げた取引先は飯塚から離れていく。
特筆すべきは若き日の「渡辺道雄議員」の存在である。
当時は自由民主党大蔵委員の肩書きだったが税理士の資格も持っていた。
自民党の辞任勧告も、ものとはせず国税庁を追求する舌鋒は素晴らしい。

渡辺議員の追及でついに国家の不当性は認められたが、飯塚事務所で逮捕された職員の裁判は延々と続く。「不撓不屈は」飯塚のために用意されたような言葉である。
飯塚は、事件が勝利した後、国家賠償を求めず、自らが為すべき事に没頭した。
そのことは後にTKCの功績となっている。

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