煤煙 ‐ 北方謙三

水滸伝を読む傍らチョイチョイとつまみ読みしていた北方小説。
表題の煤煙と小説の中身の関連は読了後の今、分かるようで書き表せない。
主人公の胸の中に詰まっているモノではなかろうかと推測しているが。

北方小説の男はみんなかっこいい。
ビールやワインは水の代わり、タバコをくゆらす姿は渋い。
ハイソではないけれど庶民ではない収入を持ち、正義感に溢れる。
煤煙の主人公は一匹狼の弁護士。
ヨットが住宅代わりでワンルームのマンションも持っている。
彼の小説に共通して流れるのは自分を毀しながらひたむきに生きる男がいる。
暴力を平気で使い、向かうところ敵なしと思える主人公達の内面は自分を毀す事にひたすら突き進む。
そういえば、水滸伝もそうだった。
弁護士の仕事としては有罪を無罪にどんでん返しして暗い満足感を得る。
至るところにちりばめる暴力場面
暴力場面は読み飛ばしながら3日で読んでしまった。
私にはかなり強烈、立て続けに読みたい作家ではないがそれほど強烈な印象を残す本といえる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

書評・レビューの情報収集

ブログランキングで書評・レビュー関連の情報を収集できます!
ページ上部へ戻る