水産加工場でもある海辺の庭 ‐ 岩本邸|海の贈りもん|大分,豊後高田市

「ブルーガーデン」さんから65km先、国東半島付け根の豊後高田市にその庭はあった。
庭の前には船が浮かび、のどかな海が見える場所だった。
正確には河口らしいけれど、海に近く庭は潮水をかぶる事もあると言う過酷な環境にある。
けれど、この不思議な安らぎはなんだろう。
昨日お見せした写真の建物。
五角形に作られている。
1980年代の「私の部屋」に掲載された外国の建物に誘発されて設計されたものとか。
この大きな建物の周囲600坪に男の庭は造られている。
窓枠はブルー、ガラスの桟はレッド。
その周りはニセアカシア・フリーシアの並木、足下には牡蠣がらを敷き詰めた園路が続く。
この庭主は岩本水産で、牡蠣やムール貝の養殖業をされている。
そしてこの建物は加工場である。
こちらの社長の岩本さんが一人で10年以上かけて作られた庭で、
お会いすると引き込まれそうな笑顔の方だった。
子供のころから花は好きだったそうで、もっぱら多肉を育てていたけれど、
1995年にカナダ、アメリカに牡蠣の研修に行った時に庭の方に心を奪われたらしい。
それから建物を建て、コツコツと庭づくりをされてきた。
潮風という普通では無い環境の中、強い苗を探して今の形になって来たらしい。
ニューサイランやユッカ、昔から海岸に自生するナミキソウはブルーの小花で目を引く存在。
グラス類が大好きとおっしゃるだけに庭の方々には風に揺れるグラスが入り、
キャットミント、数種類が中に混じる。
所々はカンナのブラウンや斑入りの大きな葉っぱがアクセントになっているが、
派手な花の色はあまり庭には入れたくないそうだ。
ペンステモンも伸び伸び。
クレマチスやホスタ―は庭が嫌がるようです。と岩本さんはおっしゃる。
薔薇やクレマチスが綺麗な庭は沢山あるけれど、空と海に似合う庭は早々あるもんじゃない。
この庭は知られたくないと思う反面、庭好きな方には見落とせない庭になると確信もする。
「BISES(ビズ) 2015年 8月号」で特集されているけれど、特にギャラリーが増えていると言う事もなさそう。
「海の贈りもん」と言うのは本業のブランド。私は、てっきり庭の事だと思っていた。
福岡空港まで帰るためにバタバタと準備をしていたら
「ティーツリーの花が今年は満開になりました」と言われて振り返った。
びっしりと咲いた白い花が風に揺れていた。
写真を写そうとしたらカメラがないのに気がついて庭にかけ戻り事なきを得たけれど、
この花が咲いてなければ大事なカメラは如何なっていたやら。。。。
一日の半分を移動に費やするので、どこも滞在時間が短い。
素敵な2庭を拝見出来て、花旅の最終日は大満足だった。
ブルーガーデンさん、岩本さんありがとうございました。
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