【夏の避暑地】開田高原へ―涼を求めてたどり着いた先で

昨年のニュースで、「真夏でもクーラーが要らない」と紹介されていた開田高原。その言葉が記憶のどこかに残っていた。

連日の猛暑にぐったりしていた今年の夏、ふと思い出したのがその開田高原だった。「そうだ、開田高原へ行こう」まるで思いつきのように、涼を求めて車を走らせた。

御嶽山の麓に広がる開田高原は、標高1,100〜1,300メートルの高原地帯。確かに、これまではクーラー要らずの避暑地として知られていた。でも、今年はどうやら例外のようだった。
高原の気温はまさかの30度前後。関西の猛暑に比べればまだましとはいえ、「涼しい高原」のイメージとは少し違っていた。
それでも、風景は確かに心を癒してくれるものだった。

のんびりと馬が草をはむ草原が広がり、遠くに見えるのは雄大な御嶽山。2014年の大噴火が嘘のように、いまは静かな姿でそこにある。その姿を見ていると、自然の力強さと静けさ、両方に包まれるような気がした。


開田高原といえば、信州そばの名産地としても有名。道沿いにはあちらこちらに蕎麦屋の看板が並ぶが、新蕎麦の時は何処も満員御礼であったことを思い出した。畑には夏まきの蕎麦が芽を出し、明るい緑がパッチワークのように広がっていた。

少し強めの風が吹いていたのは、台風の影響だろうか。その風のおかげで、気温ほどには暑さを感じず、木陰では思わず深呼吸したくなるような心地よさがあった。

期待していたほどの涼しさはなかったとはいえ、関西の喧騒を離れ、広々とした風景の中で過ごす時間はやはり贅沢だった。

夏の開田高原。確かに“避暑地”という看板には今年は少し届かなかったかもしれない。でも、風に揺れる蕎麦畑、のんびり草を食む馬たち、そして静かな御嶽山の姿に出会えただけでも、来たかいはあった。

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