婦人画報と京都 – 婦人画報創刊115年記念特別展|「えき」KYOTO

婦人画報の創刊115周年になる特別展が美術館「えき」KYOTOで開催された。
出版不況で次々と新刊雑誌が消えていく中、創業115周年は偉業である。
私は「暮らしの手帳」「家庭画報」「婦人画報」をパラパラ見ているけれど、この展覧会に行って、随分勿体ない読み方をしてきたものだと反省した。
創業当時から最新号までの表紙1390枚以上が展示された入口付近は圧巻だった。
婦人画報初代編集長が国木田独歩というのも初耳、1905年の創業で115年間にわたり上質な情報を発信してきた雑誌の底力を見る思いだった。
写真は創刊号の表紙でヨーロッパ美術の流れを受けた「アール。ヌーヴォー」調であった。
私が一番好きだったのは戦後から昭和30年代の表紙である。
荻須高徳、小磯良平、東郷青児、堀文子という作家たちによる絵が表紙になった時期だった。
今時こんな贅沢な表紙は作れないだろう。ちなみに今月号は「クリステル滝川」の写真だった。
表紙を見ながら作家名を当てていたら入場までに時間がかかった。
会場は写真は写せないので先月号の「婦人画報」を映した。
京都の華道、人形、ガラス、京舞、日本画、截金、染色、茶道、京料理、塗師、友禅、楽焼、歌道といった日本の宝が展示されていた。
その中に初めて見る作品があった。
截金である。
繊細な美しさに目を奪われた。
全く技法が分からなかったのでネットで検索して漸くその技法を理解した。
御人形も可愛らしかった。
芸術の本物には、どんな名人の手による写真でも表現しえない品格を感じる。
本物の作品のエネルギーに触れる貴重な展覧会だった。
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