函館山と立待岬

飛行機が函館空港に降下を始めると、それまでかかっていた雲が切れて急に立待岬が見えた。
直ぐその続きに函館山が、続いて五稜郭の星型まで見える。
函館に着いたと感じた瞬間である。
函館山は1度か2度は来ているはずだけれど、おぼろな記憶しかなかった。
その記憶を確かな記憶にするための再訪だった。
地図で見ると、立待岬の近くに青柳町がある。
「函館の青柳町こそかなしけれ友の恋歌矢車の花」
矢車の花が咲くといつも思い出す啄木の句である。
函館の青柳町は私には聖地のような響きがあった。
立待岬からホテルの道筋に瀟洒な住宅が並ぶところを通りがかった。
地名を見ると、そこは「青柳町」だった。
フッと、啄木に裏切られた感がした。

「潮かほる北の浜辺の 砂山のかの浜薔薇よ 今年も咲けるや」
空港から立待岬に向かう大森海岸に啄木の銅像と歌碑がある。

啄木の銅像を見ようとする人は私以外に誰もなく、車から降りた人たちは、海辺に向かっていく。
夏の海岸ほど賑やかではなく、夏の訪れを待ちわびる姿に見えて、しばし見とれた。

函館は、小さな町だから15-20分も車を走らせればどこへでも行ける。
大森海岸からそう時間もかからず、立待岬に到着。
立待岬と函館山にこだわったのは、函館のシンボルだからだけではなく小椋佳が作った「函館山」の曲を聞いたからだった。
「函館山から立待岬、吹き荒れる雪の中飛び交うカモメよ」詩がリフレインする。
立待岬を確かめなければならなかった。
季節が違うからか、拍子抜けするほど穏やかな岬と波だった。
でもこれで、なんとなく気が済んだ。

ホテルの部屋から正面に函館山が見えた。
真下は金森倉庫
部屋から函館山までの間には何もない。
一晩中カーテンを開けて、函館山を堪能した。

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