大雪高原沼、三国峠そして…ようやくマウレ山荘へ|北海道紅葉旅3|旅は道連れ世は情け
旅の最後は遠軽の「マウレ山荘」。
ここは遠いけれど、わざわざ行っても値打ちのある温泉と食事が待っている。
夏旅では、ディナーの最後に滑り込む、
今回は余裕を持って明るいうちに露天風呂に浸ろうと朝のスタートを頑張った。
黒岳までは計画通り。いえ、それ以上に順調だった。
次に向かう「大雪高原沼(トラベルjp)」ではナビもヒットしない。
スマホの案内で走り始めた。短い距離だけど途中から道の様子が変わった。
川の土手が崩れ、流された木々が川の中に散乱している風景だった。
9月に3回も上陸した台風の爪痕だ。
帯広の屋台で家人の隣にいた方が「寒さはどれだけ寒くても平気だけれど、
台風の事は分からなかった」と話したそうだけど、その気持ち、よく分かる。
ロープが張られた道は離合が難しく、めったに車も来ないけれど、
来ればかなりの距離のバックが必要。漸く辿りついたけれど、沼ってどこ?
この先の小屋の向こうらしいと予測して歩いた。そして、この小屋は確かに沼の入り口だった。
けれど、私の想像する入り口とは違った。
「ここで入山手続きををして下さい」と言われても、何のことやらさっぱり。
後から来られた方が「沼の紅葉を見に行くだけです」と質問をすると、
「ですから、こちらにご記名をして下さい」との事。「あのー沼はどちらに」と、私。
「ここから2km先の山の中で、時間にして片道2時間くらいです。ヒグマが出ますのでご注意下さい」
入山時間は午後1時20分。
往復3時間、ヒグマに襲われず無事に降りてきたも午後3時半にはなるだろう。
制限時間は午後3時までと区切られている。
後から調べると、温泉高原の沼巡りはこれだけで1日十分かかりそうだった。
周りの方々は、本格的な山スタイル。「まあ、行ける所まで行ってきます」といって歩き出した。
所々、厳しい道もあるけれど、旭岳、黒岳展望台コースをクリアしているので歩くのに不安はない。
かなり歩いたと思うところで、降りて来た方に聞いてみた。
「ここは三分の一位来ていますか」と。
「いいえ、ほんの入り口ですよ」と言われてがっかり。
でも、歩けばこんな景色にも出会えると言うもんだ。
この日、私はもう一つの欲張りコースを考えていた。
ここからマウレ山荘に行けば、明るいうちに露天風呂が待っていると分かっていても、
もう一つの紅葉の名所三国峠を通過したいと敢えて遠周りの道を計画している。
もたもたしていると日が暮れる。30分歩いて引き返す事にした。山小屋に戻ると午後2時だった。
5月にタウシュベツ陸橋に言った時に一度通った三国峠。
高原沼を出るとどちらに向いて走るんだ?
家人の示す方向は大抵反対方向。
ナビはぐるぐると走行方向が変わるし、スマホは?あー圏外だ。
肝心な時に何も分からない。
運転手の言う事を聴かねばなるまい。
スマホの対応するところまで走ると、まさに正反対、ここで30分のロスタイム。
糠平温泉方面に走る。
三国峠cafeの駐車場は満車、観光バスもやって来る。
ここを午後3時に出なければマウレに5時着は難しい。
三国峠に拘ったのは、この橋の写真を撮りたかったから。
けれど、気が焦って構図を決めないままの風景は、思ったような写真には仕上がらなかった。
ここから来た道を引き返せば層雲峡経由100kmほどでマウレに到着する。
けれど、それはつまらない140kmコースを選んで足寄、陸別のコースを選択した。
出発時間は午後3:20、ナビの示す到着時間は4時間後の午後7:30。
広い道に車の影もない、ここは走るしかないでしょう。高速道路並みに走らせた。
刈り取られた草が、綺麗に並べられた草原を走る時の気分は壮快だった。
日暮れまでに着けば、明るい時間のお風呂が待っている。
140kmを平均70kmで走れば2時間のコース。日暮れ前には着けるだろう。
知らない道は楽しいなー。
ドンドン距離数は減っていき、残り50kmとなった。
100kmで走れば30分、午後5時前の到着だ。
置戸の辺りだろうか、広い道から曲がった途端に通行止め。
ナビは役に立たないし、スマホは肝心な時には圏外と言って知らん顔をする。
この辺りは特に台風被害がひどかった、
北見方向に向いて走り始めたけれど、どこで通行止めになるのか想像もつかない。
祈るような気持ちで走った、残りの距離は80km。太陽はすげなくストンと落ちて辺りは真っ暗。
家人はアクセルを踏み込む。
マウレの灯りが見えた時はどれほど安堵した事か。
今夜は野宿になるかもしれないと、心配をしたけれど、午後6時10分に到着出来た。
朝、ホテルを出てから11時間、長い長い一日でした。
綿菓子のような雲、まだ余裕のある時間に。
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