国勢調査は誰のため?自分のために使えるデータへ

五年ごとの国勢調査の年がやってきた。
そもそも国勢調査は何のために行われているのだろうか。

総務省によれば、集計された回答は「社会や暮らしを支える重要なデータ」となる。たとえば、人口に応じて作成される衆議院小選挙区の区割りや、国から自治体に配分される地方交付税の算出に用いられる。子育て施策や防災計画の策定にも欠かせない基礎資料である。さらに、調査結果は政府統計の総合窓口サイト(e-Stat)で公開され、学術研究や民間企業の出店計画など幅広く活用されている。

しかし、国民にとっては「自分の生活に直接役立っている」という実感に乏しいのが現状である。しかも協力しない場合には罰則規定がある。調査員が一軒一軒配布に回る苦労を想像すると、受け取る側も面倒だと感じつつ、無下にはできない。
私も「面倒臭い」と思いつつも「国勢調査は国民全員が対象」であるので仕方なく受け取った次第である。

配布された封筒には「ログインID」と「アクセスキー」が記されており、それを入力するとオンラインで回答できた。やってみると驚くほど簡単で、大きな字で分かりやすく、10分もかからず終了した。拍子抜けするほどスムーズであったが、パソコンが苦手な人や調査票の小さな字を読むのが大変な高齢者には、依然として負担の大きい調査である。

国勢調査は国や自治体の政策づくりに欠かせないものではあるが、国民からすると「役所のための調査で、自分にはあまり返ってこない」と感じられがちである。正確性や回答率について疑問を抱く人も少なくない。

例えば、令和2年調査における全国の世帯回答率は 81.3% であり(注:5年ごとの全数調査としては非常に高い回答率である)、インターネットによる回答が約 37.9%、郵送回答が約 42.3% を占めていた。だが、都道府県別にはこれよりインターネット回答が低い地域、高い地域などばらつきがある。

また、回答漏れ・記入不備・虚偽・不詳な項目などの問題は避けられず、それらを補完する「不詳補完値」の算出が行われており、過去調査との比較にも可能な限り整合性が保たれている。
こうした回答率の高さと補正・補完の仕組みがあるため、国勢調査のデータは統計的に十分な精度を持っていると言える。ただし、デジタル格差や高齢者の利便性など、回答方法や読み取りの負担も正確性に影響を与える要因である。

本来国勢調査は「究極のビッグデータ」である。私たち自身が地域の現状を知り、子育て・介護・防災など身近な課題を考える材料として活用できるはずである。海外に比べると、日本では「自分たちもこのデータを利用できる」という意識がまだ弱いように思う。もし「国勢調査のデータを自分のために使える」という認識が広まれば、調査に協力する人も増えるのではないだろうか。(NHK)

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