時は巡らず、流れゆく。

テレビから「青葉城恋歌」が流れてきた。
歌手のさとう宗幸さんが歌詞の説明をされている時にふっと耳にとまる言葉があった。
大ヒットして歌謡大賞の話が出た時に、作詞家の阿久悠さんに「歌詞に問題になる箇所がある」と指摘されたそうだ。
それは、「時(とき)はめぐりまた夏が来て」の所だった。
「時は巡らない、二度と同じ時間はこない」
というアドバイスだったそうだ。
そして「時」は「季」と訂正されたそうだ。

被災していない私が書くのはおこがましいけれど
「時」は巡らない。
どんなに願っても前には戻らない。
同じ時間は二度とない事が突然身に染みて理解できた。
「方丈記」にも
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。 世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」
と、記されている。鴨長明がどんな時に記されたのか、こう言う文章を記す時は絶望した時だ。

諦めの付かない気持ち、悔しい気持ち、惨めな気持ち、怒りの気持ち、なんで私がと思う絶望感。
頭の中はそれを繰り返して、諦めと認められない現実を行き来すると思う。
時は戻らないとしても、それは、何年も被災者の方々を苦しめる事だろう。

心のケア―を急がねばならない。
専門家の派遣が出来るのは何時になるだろう。

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