星空を写してみたかった。

長野県阿智村にあるヘブンスそのはらは星の写真を写す場所として知られている。
24日は一日中、雲一つない快晴の下、最後まで咲かなかった駒ケ根、光前寺の桜を堪能した後、早めに宿に引き上げた。
26日は新月、となると24日は申し分のない条件が揃う。
6時半からナイトツアーのチケットが販売されるので、早く行ってカメラをセットしたかった。
写真を始めると星空を写したくなるものらしい。
あれこれと画像を見ていると、私もやっぱりそういう気持ちになって来た。
けれど、どうしたら写せるのかすら知らなかった。
ネットをググれば教えてくれる時代のありがたさ、am6:00には出かけるというのにam2:00まで付け焼刃で勉強した。
標高1400mの山の上は0℃以下の様子、冬物を鞄いっぱい詰め込んだ。
いよいよ、その時。
さっきまで晴れていた空に雲が増えてきた。
ケーブル乗り場で判断したらいいという家人に励まされて、出掛けたら
満天率15%、ほとんど見えない。
雲が切れれば少しは見えるかもと言う最悪の状態になっていた。
寒いだけで星が、ないなんて意味がない。
引き返そうとする私に、家人は「折角来たんだから、行くだけ行けば、だめならまた来ればいいさ」と積極的に勧める。
気が進まないけれど、一応天空に上がっていった。
何処を見ても、星はない。
目が慣れると時折キラッと光る。
物慣れた様子のおじさま方が、大きなカメラを担いでドンドン集まって来た。
その様子を参考にして、カメラを据えた。
pm8:00に全ての照明が消されると漆黒の闇が広がった。
けれど、星はない。
「ピントを合わせれば撮れたようなもの」と書いていたけれど、時折見える星にピントなんて合わせられない。
ピントは無限大、シャッタースピード20秒、星のありそうな方向にレンズを向けてセルフタイマー2秒をかけて放っておいた。
家人が「写ってる」と聞いてくる。
「そんな事わからない、星なんか見えないもの」
カメラは「被写体が暗すぎます」と表示してくる。
達磨のように着込んでも、足元から冷えが上がってくる。
手袋が役に立たないほど冷たい。
ケーブルを降りた辺りではナイトツアーのメインイベント、星の解説が延々と続き、レーザーポインターが暗闇を駆け巡る。
写っているかどうかも分からないカメラを持て余して、イライラが募って来た。
漸く、解説が終わり、照明が点くと、どれほどホッとしたことか。
そして、出来た写真は最初の写真。
肉眼では見えなかった星が写っていたのが嬉しい。
付き合ってくれた家人に見せることが出来てホッとした。
満天の星があれば写せるだろうと自信につながる1枚にはなった。
光前寺の桜と中央アルプス
光前寺の苔の道
昼神温泉近くの花桃。
綺麗な花も近くに行くと、どこを写せばいいのか迷うほど魅力が消える。
「手紙を書くように写す」
何時かひらめく時が来るのだろうか。
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